miya akiko architecture laboratory

 

イメージの中で再構築できる建築

伊藤万由子

 

私たちは物理的な体と精神的な心の総体である身体を通して建築を受容している。実体ある身体を通して認識し、観念という心のイメージの中で建築を捉えなおせることは、自己存在を充足し安心感に繋がると考える。認知心理学と認知神経科学の知見を応用し、建築における位置の認識について事例比較から検証した。

私たちは建築を認識する上で基点のような移動の中で生まれる強い記憶が手がかりとして今いる自分と過去いた自分の位置関係を知り、環境を把握し、建築のイメージが形成されていく。また体験を通して主観的な認識が形成されていき、記憶に残る建築体験となる。形ではなく経験から基点を抽出した座標のあり方から設計論を展開し、場所とともに経験が記憶に刻まれる美術館を提案する。ただ認識しやすい建築ではなく、自らの足で回遊することでバラバラだった基点を結び、自分だけの建築のイメージを構築する。この基点をもとに再構築される建築体験は、主観的認識が重ねられた自分だけの固有な体験となり、純粋な建築に対する想いが生まれていくことであろう。

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