miya akiko architecture laboratory

 

没入し、余韻に浸る

― 個人のための公共建築 ―

吉田 菜乃

 

映画館で映画を鑑賞すると、人は作品を媒体として自己と向き合うことになる。映画の中の人や言葉、情景、体験との「偶然の出逢い」により、「見えていた世界」、すなわち価値観や 感性が変化する。映画を鑑賞した後、作品と出逢う前とは少しだけものの見え方が違う自分がそこにいる。そして余韻に浸ることで、その映像作品に対する考えや感性を再確認する。

本制作では、場所と映画体験を重ね合わせることにより場所性のある体験をつくり出す。すなわち没入し、余韻に浸ることのできる映画館を設計する。それは地形やまちとの対話であり、自己との対話でもある。今日の映画館の形態では分断されてしまっている日常と非日常とをグラデーショナルに繋げることにより、まちを歩きながら映画体験の続きを味わうことができる空間を設計する。映画を鑑賞した後にものの見え方が変化するように、本制作によってまちの見え方が変化する場の提供を目指す。

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