What is Peltier Device?

目次
(1)ペルチェ素子って何?
(2)ペルチェ効果の仕組み

ペルチェ素子って何?

ペルチェ素子とは、ペルチェ効果を用いた板状の半導体熱電素子の一種である。
ペルチェ素子は、ある方向に直流電流を流すと、素子の上面で吸熱(冷却)し、下面で発熱(加熱)する。


また、直流電流の向きを変えると冷却面と加熱面が入れ替わる。このように片方の面で冷却、加熱が叶う為、ペルチェ素子によって精度の高い温度管理が実現可能である。
ペルチェ素子を用いた冷却装置は体積が小さく、騒音や振動を発生しないという特長をもち、「腐食性液体」や「オゾン層を破壊する冷媒ガス」やなどを用いていないので環境にも優しい。
このため、ペルチェ素子は一般的に医療用冷蔵庫やワインセラー、CPU冷却装置などに多く使われている。
他にも、乾燥地帯でペルチェ素子を結露させ、その水分で緑化の手助けをする研究も進められている。
ペルチェ素子の発熱面を十分に冷却しなければ冷却効率が落ちたり焼損したりする可能性があるという欠点も持つ。
  
また、一方でペルチェ素子の両面に温度差をつけると、逆に素子に電流が流れるという性質もあわせ持つ。
ペルチェ素子のこの性質を利用し、温泉熱や人類が発生させる廃熱を用いた発電などの、自然エネルギー発電での活躍も期待されている。

ペルチェ効果の仕組み

ペルチェ効果は、フランスの物理学者ジャン・シャルル・ペルチェ(J.C.Peltier 1785-1845)によって1834年に発見された熱電効果の一種である。
ペルチェは、異なる2つの金属を直列に接合して電圧をかけて電流を流すと、2つの金属の接合部分で吸熱及び放熱が発生することを発見した。

一方で、現在実用化されている効率の良いペルチェ素子は2つの金属ではなく、「n型半導体、金属、p型半導体」三種類の素材で作られている。
金属には自由電子とよばれる自由に動ける電子があり、この電子が電位差によって一方向に動くとき電流が流れる。
また、多くの半導体は4価の価電子をもつSiが用いられている。純粋なSi結晶では価電子がすべて共有結合に使われており、真性半導体と呼ばれる。
この結晶に価電子が5個の不純物を混ぜると共有結合する際に電子が1個あまり、この電子が自由電子のような役割を果たして電流が流れる。
ここの様に真性半導体より電子数を増やした半導体がn型半導体である。
 次にSiに価電子を3個もつ不純物を混ぜてみる。
今度は共有結合の際に電子が1つ足りなくなり、電子が不足した穴(正孔)ができる。
この正孔は+の電荷をもち、外から電圧をかけると電子の動きと逆向きに正孔が動くことで電流が流れる。
この様に真性半導体より正孔数を増やした(電子数を減らした)半導体がp型半導体である。



これを1つの水槽だと考えてみよう。
真ん中に仕切りをつけて、左右それぞれに水を入れてみる。
この時、金属は仕切りの役割を果たす。
正孔は泡だと考える。
何もしていないとき、水槽は図2の状態だ。

n型半導体の方から直流電流を流して電位差、つまり高低差をつけてみると、 図3のように片方だけ水面が上がった川のような状態になる。
すると電子は川の高いところから低ところへ転がっていく。この時、電子が川を逆流することはない。
泡である正孔は水面の高いほうに浮かび上がって移動していく。
 転がっていった電子はそのままリード線に放出され、電流となって流れていく。
 温度が低い状態は、フェルミの分布関数の傾きがゆるやかな状態である。
 反対に、温度が高い状態は傾きが急な状態だ。
こうして、金属のエネルギーの高いところの電子と正孔が減り、またフェルミ分布関数の傾きがゆるやかになったので、温度が下がったといえる。


ペルチェ素子の半導体と金属は上図のようになっている。
pからnに電流が流れるとき温度は下がり、nからpに流れるとき反対の現象が起きて温度が上がる。
このようにして素子の片面が冷却され、もう片方の面が発熱するのだ。
電流を流す向きを逆にすると、吸熱面と発熱面が逆転するのも分かるであろう。

また、逆に両端に温度差を生じさせると起電力が生じるという性質を持つ。
この熱電効果はゼーベリック効果と呼ばれる。