トリフェニルアミン有機EL材料のホール注入材料として注目されています。一方、N,N,N’N’-tetramethyl-p-phenylenediamine (TMPD)は容易に酸化され、Wurster radicalとして古くから知られる安定なラジカルを形成する事で有名です。また、ポリアニリンは古くはアニリンブラックとして染料に、現在では導電性高分子材料として注目されています。すなわち、ポリアニリン自体は無色で絶縁性ですが、酸化すると酸化段階によっていくつかの形になり(下図)特にエメラルディンベース(酸化型)にプロトンをドープしたものは導電性を示す物質です。これらは直線上の高分子ですが、必ず分子には「端っこ」があるはずです。もしこの高分子の構成単位を環状構造にしたら端のない閉じた系ができますがこのときにどのような性質が生まれるのかを研究対象にしています。下の図の分子は:R =Hのときポリアニリンの環状体になり、R = MeのときWursterラジカルの環状体の還元型です。R = Phになればトリフェニルアミンの環状体です。このように置換基を変えることで様々な性質を観測できる化合物群です。これらの合成法の開発をまず確立することが第一の仕事です。