フッ化炭素C-Fは水素結合のドナーとなりうるか?
C-F・・・HO, HN 水素結合の検証
フルオロベンゼンとフェノールで構成されたシクロファンの構造を調べると、20%のフェノール水酸基の水素原子はフッ素原子と水素結合していることがわかった。またNMR, IR, などによりこの結合の強さは0.84 ~ 3.7 kJ mol-1と見積もることができた。
Calix[4]areneの水酸基の1つをフッ素に変え、Calix[4]areneそのものやそのDeoxy体の芳香環inversionのエネルギーを比較しC-F・・・HO水素結合のエネルギーを 2.9 ? 3.6 kcalmol-1 と見積もった。
この系では水酸基は自由回転するものの固体中ではOHプロトンはフッ素原子の方に偏っている1H-NMR, 19F-NMR, IRなどを使って水素結合が溶液中でも存在することを確認した。しかし、この水素結合は非常に弱く、水素結合のエネルギーは~ 5.6 kJmol-1と見積もられた。
上の例から、C-F・・・HO水素結合のエネルギーは小さなものであり、これを確認するためには有機構造化学的手法(合成化学的)では分子設計が重要であり、構造によっては観察できなかったり、ある程度の幅を持つエネルギー値をとることがわかる。



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