左:佐藤さん 右:河野さん
日本女子大学では、女性が社会的・職業的自立に向けて必要な知識や技能、態度を身につけ、社会で力を発揮できる思考力と実践力を育むことを目的として、全学部共通カリキュラムである「JWUキャリア科目」を展開しています。
本特集では、「JWUキャリア科目」を7回に分けて、学生視点でご紹介します。
第2回では、史学科4年の河野絢香さんに「社会に出るための自己表現3」の内容と魅力を伺いました。(インタビュアー:心理学科3年 佐藤早優香)
毎回の課題から自分を発見する
― 履修した科目名を教えてください。
私が履修したのは、吉良俊彦先生の「社会に出るための自己表現3」です。
― 先生はどういった経歴をお持ちの方でしょうか?
広告代理店で働いていた経歴のある方でした。
― では、授業内容についてもう少し深く聞きたいと思います。印象に残っている授業内容を聞いてもいいですか。
授業内容は毎回、広告の話、そこから「自分がどういう人間ならよいのか」とか「自分はどう社会で通用するか」という話をされていました。社会に出るために必要な考え方を全般的に学ぶという感じでした。
個人的には、授業内容よりも課題の内容が印象に残っています。毎回同じ課題が出されるんですよ!
― へー!めずらしい。
ほとんどの授業では毎回違う課題をやると思うのですけれど14回全部同じ課題でした。
その1週間で「なんでだろうって思ったこと」をいくつか挙げるという課題です。
他に、「喝と天晴」は自分や社会に対してこれはよかった、これはよくなかったということを、「喜怒哀楽」はその一週間で喜怒哀楽を一つ選んでその内容を書く「情報といい言葉」は先生に対して、もしいい情報やいい言葉があればお伝えするという項目です。
あとは最後に「先生へ」という項目があります。これを毎週やります。
― 全部設問が同じということですよね?すごく特殊に感じます。
そう、授業の内容を理解しているかとかではなくて、1週間どういういいことがあったとか、これは何でこうなっているのだろうという「社会で生きていく上での気づきを得てね」というメッセージなのかなと思って受講していました。
大学2年生で受けたので、3年生からのインターンや就職活動で、周りにアンテナを張れるようになりました。あと自分を知ることにおいてはとても役に立ったと思っています。そういったことがあって、課題がとても印象に残っています。
― 確かに、この課題からこの授業のテーマが読み取れるなと思いました。私も実際、インターンシップで「Good&New」というその1週間であった、「いいこと」と「新しいこと」を話しましょうという時間があって、社会に出たらそういった気づきが重要視されると思ったので、その課題は役に立つものだと感じました。
最近の社会動向を知ることは、どの職種においても結構重要だと思っています。今、就職活動が終わった身ですが、就活では、今この業界はどういうことに力を入れていて、そのためにはどういうことに詳しくなければならないのかというのを考えなければいけない。だから、やはり社会のことを知る、アンテナを張るというのは重要だと思いました。
あと、自分がどういう人なのかというのをわかってないと、職種、企業は選べないなと思います。だから自分を知る、表現する、加えてアンテナを張ることを学べたのは、すごく役に立ったと思っています。
― 私も受けたくなってきました。
楽しみながら、社会で求められる根本的な考え方を学ぶことができた
― 授業の雰囲気について教えてください。
コロナ禍で動画を見て進める授業だったので、ほかの学生の雰囲気はわからなかったです。
すごく明るく、はきはき話してくださる先生だったので、まじめに淡々と授業が進むというより、楽しく受講することができました。
― 動画で進む授業だと緊張感がなくて授業に集中できないのかなと思ったのですけれど、そのようなことはなかったのでしょうか?
そうですね、動画の途中にグラフィック広告がはさまったりだとか、あとは「自分が広告業界で働いていた時には」という話があったので、毎回楽しく、いろんな考え方を得ながら楽しく受講できたと思います。
― 今は対面でしょうか?
先生は対面にこだわっていらしたので今の時点では対面になっています。話し合いとかみんなの顔をみて授業したいってよくおっしゃっていました。「社会に出るための自己表現」の授業はいくつか種類があるので、受講者が散らばって、一つの授業の人数は少なくなるので対面授業がしやすいのだと思います。
― では、改めて授業を受けて得られたことや変わったことがあれば教えてください。
やはりアンテナを張らなければいけないのだなという感覚にはなりましたね。毎週毎週「なんでだろう」、「喝と天晴」、「喜怒哀楽」を考えることは3週目まではなんとなくでできたのですけれど、4、5週目になってくるとネタ切れになってきます。そうなったときに、日々のことに思考を巡らせる状態にしておくことは大切だと思います。言葉を選ばずに言うと「ぼーっと生きていちゃだめだな」と思いました。疲れてしまうと思うので程々がいいとは思うのですが、常に考えながら行動しないといけないなと意識は変わりました。
「常に考えていかなければいけないという意識」は就職活動だけでなくて、その先の人生にも必要になってくる力だとは思います。あとは、「いろんなことに対して興味を持っていこうという考え方」を身につけられたかなと思います。
― 考えることの必要性を教えてくれたという感じでしょうか?
そうですね、「考え方を学んだ」という感じでした。当初、自己表現という授業名だったのでパワーポイントの作り方を身につけるのかと思っていました。でも、全然そういうことではなくて、根本的な考え方を身につけられました。
― それを今後どう生かしていきたいなどありますか?
もう来年社会人なので、「日々勉強、という考え方」は常に持っていきたいとは思います。
― 私も周りに流されることが多いので、常に考える癖をつけていきたいです。最後に、どんな人にお勧めしたいか教えてください。
今も私が受けたときの課題が毎週出ているかはわからないのですが、「自分がどういう人かを知りたい人」にお勧めします。自己分析につながると思います。
(※現在の同科目でも毎週同じ課題が出ています)
就職活動では自己分析が必ず必要になってきます。そうしないと企業選びができない。どのように社会に貢献していこうかというのが見えてこないです。そういった意味では「就職を控えた学生さん」には全員お勧めできるのではないかと思います。
― 就活に対して不安な人は多い印象です。不安を解消するためにも就職を控えた学生に受けていただきたいですね。
※JWUキャリア科目「社会に出るための自己表現」は2年次以降に履修できる科目です。