日本女子大学では、女性が社会で力を発揮できる思考力と実践力を育むため、自治体や企業、研究機関等と一緒に社会課題の解決について実践的に取り組む「JWU社会連携科目」を、全学部共通カリキュラムとして展開しています。
本特集では、現代社会学科 3年 鈴木 夏陽さんに、学生の視点から「課題解決型ワークショップを用いた企画開発」の内容と魅力を伺いました。
(インタビュアー:社会福祉学科 2年 横田 真帆)
― これから『課題解決型ワークショップを用いた企画開発』の授業に関するインタビューを始めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
― まず、どんな授業だったかを教えていただけますか。
簡単に言うと、アプリを開発するという授業でした。
株式会社読売広告社と、株式会社リコーが授業にコラボし、その方々と一緒にやっていくような授業で、そこでアプリ開発を通して、そのプロセスや課題を解決するプロセスを学んでいくという授業でした。
―2つも企業さんが来てくださるんですね。贅沢な環境ですよね。
授業を受けて印象に残っていらっしゃることとかありますか。
グループを組んで、そのグループの中でアプリ制作について考えていくのですが、企業さんからも色々フィードバックがあったりします。そういうところで、企業に就職したら、どうやって商品開発をするのか、そのプロセスが大学生の時から学べたというのは今後役に立つと思うので、印象に残っています。
あと、講義ではなくて実際にグループワークなどもあり、楽しく授業を受けることができました。どうやってアイデアを出していくのか、他のグループもいくつかあり、被らないようにして考えたりできたのは経験として大きかったですし、楽しかったかなと思います。
― ありがとうございます。確かに、商品開発のプロセスを大学生の頃に、それも授業を通して学べる事なんてなかなかない機会ですよね。
授業を受けて変わった点、得られたことはありますか。
先ほどもお話させていただいたのですが、
・実際にどうやって商品開発が行われているのかが学べたこと
・グループワークを通して、問題やもっとこうしたらいいんじゃないかという議論が深まって、問題解決の手法などについて学べたこと
・そうやって議論をすり合わせていく方法を実際に体験して学べたことなどが得られたことだと思います。
議論になって違う意見が出てきた時も、どの意見だけをとるべきとかではなくて、すり合わせて、意見をより良いものにしていく過程・プロセスを学ぶことができました。今後社会に出るとそのようなことの連続ですし、プロジェクトチームで動いていくことが多いと思うので、この授業で身に付いたことがすべてベースにはなっていくのではないか、実践的な力が身に付くのではないかと思います。
― 就活でも1対1の面接だけでは対策ができてしまうからこそ、本来の自分が出やすいグループ面接やディスカッションで、その人の本来の姿を見る企業が増えてきたと聞きますしね。話し合いに関しては経験がものをいうので、大事ですね。
授業全体の雰囲気はどんな感じでしたか。
先生も明るい方でしたし、グループワークを通してだったので、結構和気あいあいとした感じで進めていました。外部の大手企業の方々などいろいろな方が関係者として携わってくれていました。コミュニケーション力も身に付きますし、いろいろな方とお話しできて、楽しく学べるというのがこの授業の雰囲気でしたね。
― ありがとうございます。とても楽しそうな授業で、雰囲気もとても良さそうですね。いろいろな方が直接来て教えてくださる機会なんてなかなかないと思うので、それが授業で叶ってしまうのはとてもいいですね。羨ましいです。
女性同士が助け合う仕組みを考案
ちなみにどんなアプリを考えたんですか。
私たちのチームは最終的に生理の時に助け合いの仕組みをつくるというアプリを提案して、企業からも高評価をいただきました。
どういうアプリかというと、生理って結構女性の負担や問題と思われがちですけど、そもそも生理は女性の問題だけではないと考えて、そこから派生して助け合いの仕組みのような感じで作りました。
例えば、生理用品を忘れてしまった経験や突然なってしまって生理用品を持っていないといった経験って結構あると思うんですけど、そうなったときにアプリを通じて「今、生理用品を持っている人いませんか?」と需要側の困っている人たちが、自分で発信して、そこに対して構内に持っている人がいたら、「私が持っているので、あげます」のようなやり取りができるアプリを考案しました。
あとは、生理で困っている人や悩んでいる人の掲示板のページを作って、みんなで困っていることを話して、「私はこうしています」のように解決できる場所を作りたいと思いました。それで企業さんからお褒めの言葉をいただいたんですけど、その良かった点としては、生理用品がない時に、欲しい側が「こういうものが欲しいです」とアピールすることで、市場は供給から始まると思うのですが、「需要側から始まるのは新しいね」という意見をもらいました。また、「時代や需要を先取りしている案だね」と言っていただきました。
他にも、「お手伝いポイントのような形でポイントをつけていったら、より広がりやすいし、社会的価値としてもいいから、とても良いアプリだと思う」とお話しくださいました。
― すごい。生理って人それぞれで友達にも直接話しにくかったりするので、本当にあったらいいと思います。あと、恥ずかしい気持ちもあるけれど、生理用品の手持ちがないことってよくあることですし、そういう時に助かると思います。なかなか授業として経験できないことを行える貴重な機会だと思うので、とても面白そうで、私自身もやってみたいなと思いました。このようなアプリの開発プロセスや、色々な人と意見を合わせて1つのものを作り上げることをしてみたい人は、ぜひ受講してほしいと思います。
座学よりも実践したい人にオススメ
この授業はどんな人におすすめしたい授業ですか。
楽しんで単位を取りたい人はおすすめです。
私は座学よりもからだを動かしながら勉強する方が得意なので、実際にグループワークを通して学べて、それで単位が取れるのが、実践的な学びです。
それこそ就職活動とか会社に入ってからという点では、コミュニケーション能力が大事になるし、プロジェクトとかやっていくうえでもなくてはならない力だと思います。 他学科の方もいるので、そういう方と一緒に話し合いを通して色々考えていくということで、身につくかなとも思います。それこそ珍しい講義内容というのもあって、もしかしたら就職活動のアピールにもなるかなというのはおすすめポイントです。
― 2022年度のシラバスを見ていたら、9月の3日~6日に集中講義として行うと書かれています。
そうですね。2021年度は土曜日の3,4限で、隔週とかで行われていました。
企業の方々も優しいので、考えたことに対して「本当にすごいですね」とほめてくださって。結構楽しいし、その中でも「このような考え方もあるよ」と教えてくれたりもするので、本当におすすめではあります。ぜひ履修してみてください。
― そうですね。集中講義だと短い期間で実施するので、受けるにあたって構えてしまう部分があるんですけど、すごく気になりました。
色々とお話してくださって、ありがとうございました。
ありがとうございました。