卒業研究発表「twist knot の p 彩色の階数」A.I.

A.I.1枚目


私は twist knot の p 彩色の階数を調べました。

A.I.2枚目


まず、twist knot とは、8の字結び目のこの部分を twist して交差点を N 個まで増やしたものです。

A.I.3枚目


p 彩色の階数の定義を説明します。p を2以上の自然数とし、mod. p で 0 〜 p-1 までの数を diagram (結び目の図)の各 strand (ひもの線)に1つずつ対応させます。
交差点付近の3つの strand に x,y,z が対応するとき、2x ≡ y + z (mod. p) を交差点条件と言います。
そして全ての交差点に対して交差点条件を考えた連立方程式の解の個数が階数となります。
特に、階数が p より大きい場合は p 彩色可能と言います。

A.I.4枚目


例えば、これは各 strand を mod. 5 で 0,1,2,4 と対応させて交差点条件が全て成り立つので、5 彩色可能です。

A.I.5枚目


定理。どんな diagram でも、同じ knot ならば、階数の値は変わりません。
対偶を取ると、階数が異なる図は、違う knot を表すことが分かります。
そして、p 彩色可能な knot はほどけないことが知られています。

A.I.6枚目


結論@ 2N-3 と p の最大公約数を g とおくと、N 交点の twist knot の p 彩色の階数は gp になります。
特に g が 2 以上のときに p 彩色可能です。
結論A twist knot N1 と twist knot N2 が同じ knot であるのは N1 = N2 のときに限ります。
まず、結論Aから証明します。

A.I.7枚目


N1 ≠ N2 ならば twist knot N1 と twist knot N2 が異なる knot であることを示します。
一般性を失わず、N1 < N2 と仮定し、p = 2 N2 - 3 とします。
まず twist knot N1 の p 彩色の階数を求めます。
2N1-3 と p = 2N2-3 の最大公約数 g1 は 2N1-3 以下になります。
結論@より、階数 p g1 は (2N2-3) (2N1-3) 以下となります。

A.I.8枚目


次に twist knot N2 の p 彩色の階数を求めます。
2N2-3 と p = 2N2-3 の最大公約数 g2 は 2N2-3 となります。
結論@より、階数 p g2 は (2N2-3)2 となります。
よって N1 と N2 の階数が異なるので、
N1 ≠ N2 ならば2つが異なる knot であることが証明されました。

A.I.9枚目


注意。6 交差点の twist knotと 15 交差点の twist knot は「p 彩色可能か不可能か」のみでは違う knot かどうか判断することができません。
2N-3 の素因数が一致するので、違う knot かどうかを判断できません。

A.I.10枚目


次に、結論@の証明に入ります。
交差点 N 個の twist knot の階数を調べます。
図のように各 strand に e1 〜 eN まで対応させました。
そして □1 〜 □N まで交差点条件はこうなります。

A.I.11枚目


その連立方程式を行列で考え、斜めに並んだ 1 を主要項にして掃き出していきます。

A.I.14枚目


その最後の状態がこれです。
N 行目に1行目を足すと、このように 0 だけになります。
この行列を連立方程式に戻します。

A.I.15枚目


ご覧の通り e1 〜 eN-2 までは eN-1 と eN によって決まるので、自由度は eN-1 と eN のみ考えます。☆印のこの式に注目します。簡約公式より・・

A.I.16枚目


2N-3 と p の最大公約数を g とおくと、
☆より eN ≡ eN-1 (mod. p/g) となり、
よって eN の 0 〜 p-1 を「g 分の p」個ずつ g 組に分けられ、eN-1 の各値に対し式を満たす eN は g 個ずつあるので、p 彩色の階数は gp ということが分かりました。
これで結論@が証明されました。以上で私の発表を終わりにします。

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