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link diagram とは絡み目の図で、1点で3本以上が交差したり、2本が接点をもったりしないものを言います。diagram は球面上に乗っているとします。
closed braid とは braid (組み紐)の上下に左から番号をふったとき、図のように同じ番号同士を繋いだものを言います。
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向き付き link giagram の各交差点に上の繋ぎかえ操作をすると、Seifert circle という幾(いく)つかの circle になります。また、これらの輪は球面を幾つかの領域に分けます。
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この図では緑と赤が結び目、青が Seifert circle たちを表します。
Vogel move とは link diagram を closed braid にするための変形で、交差点から交差点を一辺としたときに、ある条件に当てはまる2辺に Reidemister 変形 II の操作をすることを言います。その条件とは以下の3つです。
@ 2辺は異なる Seifert circle にある。
A 2辺は link diagram の同じ領域の縁(ふち)にある。
B 2辺の向きがその領域の縁の輪の上で共に右回りか、共に左回り。
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Vogel の定理によると、向きの付いた link diagram を D とし、Seifert circes の数を n としたとき、{(n+1)(n+2)/2} - χ(D) 回以下の Vogel move で closed braid になります。χ(D) はある正の数ですが、説明は省略します。今回考えた課題は、正確に何回変形すればよいかということで、部分解が得られました。
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上の図は或(あ)る link diagram を繋ぎかえて Seifert circle にしたもので、これに Vogel tree を対応させます。circle によって分けられた領域に 1 から 5 の番号をふります。一つ一つの領域に Vogel tree の頂点を対応させ、Seifert circle に辺を対応させます。
辺の向きの決め方を説明します。隣合う領域の境界線上に矢印の方向に向かって立ったときに、左側の領域から右側の領域に向かう矢印を描くように決めます。
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向きの付いた closed braid の Vogel tree は分岐点が無い真っ直ぐな tree になります。このような tree を chain と呼びます。逆に、Vogel tree が chain のときは link diagram は closed braid になります。
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次の図は Vogel tree の部分図で、diagram に Vogel move を1回すると、Vogel tree はこのように変形されます。つまり、同じ分岐点から出る辺をσとτとしたとき、diagram に Vogel move をするとσとτが1つになり、その先に新しい辺θが加わります。tree 上でのこの変形も Vogel move と呼びます。変形前後で辺の数は変わりません。
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定義。上分岐点は出る辺が2本以上の頂点、上分岐 tree Γ+ は下分岐点の無い tree のこととします。
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上分岐 tree Γ+ に対して、分岐点θi から出る辺を e1i, e2i,..., eni とするとき、eji に連なる上分岐 tree を Γ+ji とします。
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結果。Vogel tree が上分岐 tree Γ+ のとき、Γ+ の分岐点の数を N とすると、上手く操作すればこの式の回数の Vogel move で Γ+ を chain にできることが分かりました。
この式で e(Γ+ai) は Γ+ai の辺の総数を表すものとします。
具体例を見ます。
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この例では2つの分岐点があります。
分岐点θ1 から出る辺 e11 に連なる上分岐 tree Γ+11 の辺の数は 5, 辺 e21 に連なる上分岐 tree Γ+21 の辺の数は 1,
分岐点θ2 から出る Γ+12 と Γ+22 の辺の数は共に 2 なので、計算すると 9 回の Vogel move で chain に変形することができることが分かります。