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題名。Reidemeister III での closed braid への変形。
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link とは3次元空間の中の絡まったいくつかの輪っかです。ここでは向きの付いた link を考えます。
その図を link diagram と言います。ただし、球面上の図と考えます。接点や3重点があってはなりません。
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smoothing は交差点のところで紐(ひも)を繋(つな)ぎかえる操作です。ただし、向きが繋がるようにします。
link diagram で全ての交差点を smoothing すると向きの付いたいくつかの輪っかになります。1つ1つの輪を Seifert circle と言います。
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closed braid とは link diagram で Seifert circle たちが向きの揃(そろ)った同心円になるものです。
ただし、球面上で考えます。
以後、ここでは closed braid を二重丸の記号で、closed braid でない図を二重丸に×を付けて表します。
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Reidemeister move とは link diagram の部分的な変形で、3つの変形があります。
RI は1角形を作ったり消したりします。RII は2角形の変形です。RIII は三角形の変形で、この紐がこの中央の crossing を通り越します。
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Pierre Vogel はどんな link diagram も Reidemeister II を有限回上手く適用すると closed braid になり、その回数は {(n+1)(n+2)/2} - χ(D) 回以下であることを証明しました。
ただし、n は元の link diagram の Seifert circles の数であり、 χ(D) はオイラー標数ではなく、ここでは定義を述べませんが、正の整数値をとります。
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私は、Reidemeister III 変形を1回だけ適用するとき、どのような場合に closed braid に変形するのに役立ち、どのような場合に役立たないのか考えました。
その結果がこの表です。
一番左が場合分けで、真ん中が変形前後の有り得る状態で、一番右が Seifert circle の数の増減を表しています。
□1は RIII を適用する三角形の向きが繋がっていない場合で、□2は向きが繋がっている場合です。
さらに□2の場合は三角形の外側を考えます。[a] は Seifert circle の線が隣り合う端点を結んでいて、[b] は隣り合う端点を結んでいない場合です。
特に、closed braid でないものから closed braid にするのに役立つのは□2の [a] の場合のみです。
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□1の証明をします。三角形の向きが繋がっていない場合でした。三角形の近くを見ます。
RIII ではこのように変形されます。それぞれの Seifert circle はどちらも三本の線になりますが、形は違います。しかし、端点の繋ぎ方は同じです。
連続的に動かせば同じ絵なので、Seifert circle は変わらず同位です。特に、Seifert circle の数が変化しません。また、変形前後で closed braid であるかないかも変化しないことが証明されました。
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□2の証明をします。三角形の向きが繋がっている場合でした。
[a] は隣り合う端点を結んでいる図でした。
他の Seifert circle があるかもしれませんが、場合分けの基準としては無視します。
三角形と外側の組み合わせは2通りです。Seifert circle の数が変化します。
closed braid がそうでなくなったり、closed braid でないものが closed braid になったりします。
下の図の場合が役立つ変形になっています。
さらに他の Seifert circle が有ると、closed braid でないままということもあります。
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[b] は隣り合う端点を結んでいない図でした。Seifert circle の数が変化しません。変形前も後も closed braid ではありません。