卒業研究発表「2-bridge link はいつ split link か?」田賀美樹

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田賀美樹です。
私は「2-bridge link はいつ split link か?」について研究しました。

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まず 2-bridge link の定義ですが、図のように上ばかり通る紐(ひも)2本(実線)、下ばかり通る紐2本(点線)でできる link diagram を持つ link のことです。
split link とは、3次元球面内にある link の成分が、2次元球面 S によって完全に分離される link のことを言います。link は S と交わりません。また、S を split 球面と言います。

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研究の結果、2-bridge link の link diagram が split link を表すならば、link diagram に対して「二角形を消す Reidemeister II 変形」を繰り返し行うと、その link diagram が連結でなくなることが分かりました。
では、証明にはいります。最初に、2-bridge link の link diagram に「二角形を消す RII 変形」を可能な限り適用しておきます。

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2-bridge link の link diagram を2次元球面 Π の表面上に乗せます。この diagram の上ばかり通っている紐2本「aたち」を Π の外側に、下ばかり通っている紐2本「bたち」を Π の内側に引っ張り、それぞれを「T 何とか」とおきます。紐の軌跡には disk を張り、「D 何とか」と呼びます。

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次に Π を境界にして3次元球面を2つのボールに分けます。パイの外側のボールには「T1 何とか」が含まれ、内側には「T2 何とか」が含まれます。ボールの表面と disk 「D 何とか」の交わりの arc を 「β何とか」と置きます。

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まず B1 のボールと S の交わりを綺麗にすると、disk 「D1 何とか」2つを分け隔てる disk 奇数枚で S が B1 に交わります。証明は省略します。この disk たちと B1 の表面の交わりのサークルたちを γ と置きます。

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次に B2 の交わりを考えます。「β2 何とか」が γ と交わらないときは、link diagram が γ によって完全に分断されて、連結でないことが分かります。

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β21, β22 が γ と交わるときは、「D2 何とか」と S との交わりを綺麗にしなくてはなりません。まず先に circle からはずし、全ての circle が無くなってから arc をはずします。

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circle のはずし方は disk 「D2 何とか」上の最も内側の circle C に沿って球面 S を切り、切り口に「『D2 何とか』上で C の囲む円盤」のコピー2枚を貼り付けます。S は2つの球面に変形されますが、そのうちの少なくとも一方が split 球面になることが知られています。それを新たに S とすると、S と「D2 何とか」の交わりが減ります。これを繰り返すと、交わりの circle は無くなります。

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arc のはずし方を説明します。左側の半円盤の図は「D2 何とか」の様子です。右の図は四角形が Π で、その手前が B1, 奥が B2 です。茶色の線は緑の split 球面 S と「D2 何とか」の交わりの arc です。この半月板に沿って S を B1 へ押し出します。押し出された斜線部分を band と呼びます。

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B2 から押し出された band は B1 の表面上に4つのパターンで現れます。時間の都合上、4と1の説明だけします。

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4の場合です。
band が2回以上 β1i と交わるので、β1i と β2j で二角形ができてしまい、証明の冒頭での「2-bridge link の link diagram に RII 変形を可能な限り適用しておく」という仮定に反するので、この場合は有り得ません。

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1の場合を説明します。
band が隣り合う2枚の disk を繋いて1枚の disk を作っています。band の部分から B1 の内側に押し込んでゆくと、B1 の表面に内側から張り付き、最後には B2 へ押し出されてしまいます。こうして2つの disk がはずせて、S と Π の交わりが簡単になります。
以上で証明を終わりにします。

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