平野玲子「(p,1)-lens space における normal surface 理論」

p=2,3 のときに、(p,1)-レンズ空間が既約な多様体であることを Haken の normal surface の理論を用いて証明した。
 3次元多様体Mの中の2次元球面Sが本質的であるとは、Sを表面とする3次元球体がM内に存在しないことである。3次元多様体が既約であるとは、本質的球面を全く含まないことである。3次元多様体が有限個の四面体たちの面たちを張り合わせたものとして分解されているとき、本質的球面は四面体分解に対して綺麗(normal)で、しかも簡単(fundamental)な位置にある球面に変形できる。しかも fundamental surfaces は1つの四面体分割に対して有限個しかなく、それを求めるための有限アルゴリズムが存在する。尤も、実用的なものはなく、一般にそれを求めるコンピュータプログラムはまだ存在しない。
 この研究では (p,1)-lens space を p 個の四面体に分割して、(2,1)-lens space と (3,1)-lens space の fundamental surfaces を全て求めた。そして、その中に本質的球面が存在しないことを確かめた。(4,1)-lens space は計算途中で時間切れとなった。