卒業研究発表「2つ以下の四面体でできる3次元多様体の Q-fundamental surface」小林芳子

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小林芳子です。
私は、二つ以下の四面体からできる3次元多様体の fundamental surface を求めました。
一つの四面体からできる向き付け可能3次元多様体は4種類、2つの四面体からできるものは16種類あることが分かっています。今回は、その中のパターン4の fundamental surface について説明します。
まず最初に fundamental surface を求めるために必要な定義や定理を説明していきます。

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定義 (normal surface)。M を3次元多様体、τ を M の四面体分割、F を M 内の閉曲面とします。
F が normal surface とは F が normal disk たちを貼り合わせてできていることです。
normal disk とは・・

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四面体内の三角形や四角形で、この7種類あります。そのうち、triangle type が4種類、square type が3種類あります。square type の normal disk を短く Q-disk と言います。
平行な normal disks は同じ type であると言います。

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図のように1つの四面体に2種類以上の Q-disks が存在すると必ず自己交差を持ってしまいます。自己交差なしの曲面を考えたいので、各四面体に Q-disk は高々1種類とします。これを square condition と言います。

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定義 (Q-maching equation)。
square type の normal disk に X1 から X3t まで番号を付けます。ただし、t は四面体の数とします。
ek を四面体分割 τ の辺とします。ek を辺に持つ各四面体1つ1つを見ると、ek と交わる Q-disk は2種類あり、交わらない Q-disk は1種類あります。このとき sense of σ を以下のように定義します。
ek = 辺 AC とするとき、
辺 AC を手前に見たときに左肩上がりの Q-disk Xi に対して εk,i = + 1 ,
右肩上がりの Q-disk Xj に対して εk,j = - 1 ,
交わらない Q-disk Xl に対しては εk,l = 0 と決めます。
小文字の xi を F 内の i 番目の Q-disk の枚数とします。それらを並べたベクトル v(F) はこの同次連立方程式の解になります。
1つ1つの方程式は各辺に対して立てられます。

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定義 (Q-fundamental surface)。
normal surface F が Q-fundamental surface であるとは、F のベクトル v(F) がこのように分解でき「ない」ことを言います。但し、F1 や F2 は normal surface です。

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定義 (essential 球面)。
M を3次元多様体、S を M 内の2次元球面とします。 S が essential 球面とは S が M 内の ball の表面にならないことです。この図は1次元低い模式図で、S1 は M から円盤を切り取らないので essential です。

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定理。M を3次元多様体、τ を M の四面体分割とします。M が essential 球面を含むならば τ に関して Q-fundamental である essential 球面が存在します。

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パターン4の3次元多様体は △ABC と △BED, △ACD と △CEB, △ABD と △DCE がこの頂点の順番を守って貼り合わさることによって得られます。

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この3次元多様体の Q-matching equations はこのようになります。この同次連立1次方程式を解くと、実数解はこのようになります。
ベクトルの成分に負の数があると normal surface にならないので、基底をとり直します。

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P がいつ fundamental か調べると fundamental surface を表すベクトルはこの3つになります。時間の都合上、計算方法は省きます。

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PB の表す曲面を調べます。四面体の面の貼り合わせから Q-disk の辺の貼り合わせが分かります。同じ矢印の辺同士が貼り合わさります。

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これらの Q-disk を貼り合わせると、クラインの壷になりました。他の fudamental surface も全てクラインの壷になりました。
したがって、この3次元多様体は essential 球面が存在しないので、素な3次元多様体である、ということが分かりました。
以上で発表を終わりにします。

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