卒業研究発表「2つ以下の四面体でできる3次元多様体の Q-fundamental surface」水林伸恵

水林1枚目


水林伸恵です。
去年 (3,1)-lens space の fundamental surface について平野さんが調べました。
私は Q-fundamental surface について調べました。

水林2枚目


(p,q)-lens space という3次元多様体を定義します。
p と q は互いに素な整数とします。
p 角錐2つの底面同士を貼り合わせます。
上の p 角錐の錘面たちを q/p 回転して貼り合せます。
例えば (3,1)-lens space では、下にあるこの赤い斜線の面は 1/3 回転して上にあるこの赤い斜線の面と貼り合わさります。

水林3枚目


(p,q)-lens space を四面体に分割します。
この図の中心軸 α と赤道の一辺を対辺とする四面体が1個決まります。
図のように p 個の四面体に分割できます。

水林4枚目


Q-type の normal disk たちに番号を付けます。
k 番目の四面体を τk とし、それぞれの四角形 normal disk type を xk1 , xk2 , xk3 と置きます。

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(3,1)-lens space の Q-matching equations を解いて Q-fundamental solution を求めました。そのうち square condition を満たすのはこの4つです。これらの表す曲面を調べていきますが、最初の3つは回転対称なので PA だけ調べます。

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まず、PA について四面体内に Q-disk を配置し、四角形同士で貼り合わさる辺に H1 から H4 の番号を付けます。

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四角形同士で貼り合わさらない辺には三角形の辺が貼り合わさります。
例えば、この赤い辺 (τ1 の H9) には貼りあわせでここの辺 (τ2 の H9) が対応しますが、τ2 の四角形が貼り合わさらないので三角形を付け加えました。他にも三角形を付け足します。(τ1 の下と右、τ2 の左)
ピンクの番号は三角形と四角形の辺の貼り合わせです。
まだ貼り合わさっていない辺があります。

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残りの辺は三角形の辺同士貼り合わさり (オレンジ色の番号参照)、全ての辺の貼り合わせが決まったので、これ以上もう新しい三角形を付け足さずに済みます。
このように四角形の枚数の情報だけで曲面全体がただ一つ決まることが知られています。この曲面は e3 の辺を取り囲む球面であって essential ではありません。

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PD についてです。
PD では全ての辺が四角形だけで貼り合わさります。この曲面は軸の α を取り囲むトーラスになります。α の両端点は貼り合わせで同一の点となるので、α は circle になっています。
essential 球面が fundamental surface の中に現れなかったので、(3,1)-lens space は素な多様体であることが証明されました。

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