↑
佐藤絵里子です。
3次元トーラスの fundamental surface は去年藤沼さんが調べましたが、私はそれを Q-theory で求めてみました。
↑
まず、3次元トーラスをこのトーラスできります。すると、トーラス×区間になります。これはトーラスに厚みを付けたものと同相です。さらにこのアニュラスで切ります。するとアニュラス×区間になります。それをこの四角形で切ります。
↑
すると立方体になります。辺と面に名前を付けます。もともとくっついていた面や辺は同じ名前にします。
立方体はこのように6つの四面体に分割できます。貼り合わさる面は分割の辺も貼り合わさるようにします。
↑
normal disk の全ての square type に X11 〜 X63 の番号を付け、Q-matching equation の実数解を求め、解空間の基底たちを Pa 〜 Pl と置きます。
↑
次に fundamental solution を求めます。一般解 P の各成分は 0 以上より、f, g, h ≧ 0 となります (第 10, 11, 12 成分参照)。
a > 0 のとき、第1成分〜第3成分の a+g, a+f, a+h は 0 より大きいので square condition に反します。b, i の場合も同様です。
↑
次に a < 0 のとき、P は左側と右側の2つのベクトルに分解できますが、左側の第 10 成分から第 12 成分までは第1成分から第3成分までと同じになり 0 以上、P は fundamental ということから左側のベクトルは 0 になります。また -a = 1 となります。結局、fundamental となり得るのは P = 右側のベクトル Pa' のときだけです。b, i についても同様です。
↑
次に a=0, b=0 かつ i=0 のときです。このとき、P の各成分は 0 以上の整数となります。fundamental になり得るのは P が Pc , Pd , Pe , Pf , Pg , Ph , Pj , Pk または Pl のときです。したがって Pa 〜 Pl , Pa' , Pb' , Pi' が fundamental solution の全てです。
↑
例として Pg に対応する fundamental surface を求めます。
Pg のベクトルを見ると、立方体の中に X11 の square type の normal disk が1枚と、X42 の square type が一枚配置されていることが分かります。これに triangle type を配置していきます。
まず、上の sqaure type のこの辺 (2つ目の図の上の緑色の四角形の左の辺) に貼り合わさる triangle type を考えます (青い三角形)。天辺にある面のこの辺 (青い三角形の上の辺) は底面のこの辺 (立方体の底面にある緑の辺) と貼り合わさります。次にこの辺 (青い三角形の左の辺) で貼り合わさる triangle type を考えます。
↑
左の面のこの辺 (1つ目の図の立方体の左の面の中の青い点線) と右の面のこの辺 (立方体の右の面の緑の実線) は貼り合わさります。下半分も同様に考えて triangle type の normal disk を繋げていきます。
↑
この2つの長方形を立方体の中から抜き出し、同じ辺同士を貼り合わせて、どのような曲面になっているか調べます。
↑
まず、e4 同士で貼り合わせます。すると1枚の disk になります。次に e2 , e3 を1つの辺と見なし、e5 と置きます。そして e1 同士で張り合わせると、このような筒になります。
↑
そして最後に e5 同士を貼りあわせるとトーラスになります。他の fundamental surface もトーラスでした。したがって3次元トーラスは essential 球面を含まないので、素 (そ) な多様体であることが示されました。