卒業研究発表「4次元多様体の具体例の単体分割」高居みなみ

高居1枚目


私は2つの四面体をどう貼り合わせたら3次元多様体になるか調べました。
面の貼り合わせが全て「異なる四面体の間」で起こるときは、昨年度卒業生の伊藤さんが調べたので、各四面体で面が一組ずつ貼り合わさる場合を調べました。

高居2枚目


閉3次元多様体とは、どの点にも開球体と同相な開近傍がとれるコンパクトハウスドルフ空間のことです。3次元なので、オイラー標数は 0 です。

高居3枚目


まず、貼り合わせる2つの四面体を τ1, τ2 と置き、辺には 1, 2, 3 と番号を、面には A, B, C と記号を、頂点の周りの切り口の三角形には@、A、Bと番号をふります。切り口の三角形の頂点の内側にあるこの番号は、接している辺の番号です。

高居4枚目


τ2 も同様に記号分けしてダッシュ「'」を付けます。

高居5枚目


3次元多様体になる貼り合わせの例です。
面、辺の貼り合わせは右側の表の通りです。矢印の種類、向きが矛盾の無い様に張り合わせます。
このような3次元多様体が12種類見つかりました。

高居6枚目


次に、3次元多様体にならなかった貼り合わせの例を紹介します。
面 A を 1/3 回転させ、左右入れ替わるように裏返して、隣の面 B と貼り合せます。
面 A' も A と同様に、裏手にある面 B' と貼り合せます。
C と C' は辺の色が一致するように貼り合せます。

高居7枚目


頂点の周りの切り口の三角形に矢印を付けます。
@は D, Aは B, Bは C, Cは A と平行に矢印を付けます。

高居8枚目


切り口の三角形たちだけ取り出します。矢印が合うように τ1 , τ2 の面の貼り合わせに従ってこれらを貼り合せます。できあがる曲面を F とします。

高居9枚目


すると、このようになります。まだ貼り合せていない辺同士はこの青の線で結んでいますが、これらは縁(ふち)のサークル上で反対方向を向いているので F は向き付け可能です。
F のオイラー標数は -2 で、2-2g の公式に当てはめると、F の種数 g は 2 になり、F はダブルトーラスであることが分かりました。
頂点の周りに開球体と同相な開近傍が取れなかったので、この貼り合せの τ1 ∪ τ2 は3次元多様体ではありません。

高居10枚目


一方、τ1 ∪ τ2 のオイラー標数は 2 でした。3次元多様体にならなかった例をこの他にも幾つか観察した後、τ1 ∪ τ2 のオイラー標数は F の種数に等しいという予想を立てました。
以上で私の発表を終わります。

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