卒業研究発表「closed 3-braid の 3 彩色の階数」富士静江(仮名)

富士1枚目


富士静江です。closed 3-braid の3彩色の階数について研究しました。

富士2枚目


3-braid は σ1, σ1-1, σ2, σ2-1 を積み重ねて得られます。この例は、3-braid σ12σ2-1σ1-1σ22 です。3-braid 全体の集合は積み重ねを積と見なして群となります。

富士3枚目


braid の関係式を説明します。逆元がすぐ上またはすぐ下にくるとcancelします。絡み目の図ではライデマイスター変形IIと言います。下の図の σ1σ2σ1=σ2σ1σ2 はbraid 特有の関係式です。絡み目の図ではこのような三角形の変形をライデマイスター変形IIIと言います。

富士4枚目


closed 3-braid とは3-braid の上と下を図のように繋いだものです。

富士5枚目


closed 3-braid では逆元も同じ絡み目になります。b の closed 3-braid に対して、このように RII 変形によって2つの交差点を作ります。交差点をそれぞれ矢印の方向へ移動させて c-1, c と置きます。c-1 b c と b は同じ絡み目です。

富士6枚目


絡み目の図が3彩色されているとは次の1,2,3を全て満たすこととします。
 1.各線が3色のうちの1色で塗られている。
 2.絡み目全体で少なくとも2色以上使われている。
 3.各交差点は1色のみ、または3色の線たちで構成されている。
左の図は3彩色されていて、右の図はこの交差点が条件3に反しているので3彩色されていません。
定理。3彩色可能な図の表す結び目はほどけない。3彩色不可能な図の表す2成分以上の絡み目ははずれない。

富士7枚目


3彩色の階数とは、3彩色の色の塗り方のパターン全ての数です。例えば、三つ葉結び目の3彩色の階数は9であり、3彩色のパターンの数が3彩色の階数です。ただし、1色のみのパターンも数えます。
定理。同じ絡み目を表す2つの図の3彩色の階数は等しい。

富士8枚目


事実。3彩色の階数のいくらでも大きな結び目が存在する。三つ葉結び目n個の連結和の3彩色の階数は 3n+1 です。

富士9枚目


結論。closed 3-braid の3彩色の階数は3、9または27であることを示すことができました。

富士10枚目


補題。絡み目の図は±3ねじれの部分を0ねじれと置き換えても3彩色の階数は変わらない。

富士12枚目(11枚目は省略)


先程の補題を用いて交差点の数を減らすことによって、全ての closed 3-braid は交差点の数が0、1、2、または三つ編型の4個となります。0個のとき3彩色の階数は27、1個のとき9、2または4個のとき3です。

富士13枚目


補題。三つ編型8交点に+3ねじれや−3ねじれたちを加えることによって0交点に変形できることを示します。まず、三つ編型8交点に3ねじれを加えて(1番目の図から2番目へ変形)、RII 変形で二角形を消します(2番目の図から3番目へ変形)。RIII 変形をします(3番目の図から4番目へ変形)。次に、この2ねじれに

富士14枚目


−3ねじれを加えて−1ねじれにします(13枚目の最後の図から14枚目の1番目の図に変形)。RIII 変形をします(1番目の図から2番目へ変形)。次に2ねじれ(上のオレンジ色の四角)に−3ねじれを加えて−1ねじれにし、−2ねじれ(下のオレンジ色の四角)に3ねじれを加えて1ねじれにします(2番目の図から3番目へ変形)。そしてこのひもたちをほどくと0交点になります(3番目の図から最後の図へ変形)。

富士15枚目


3ねじれも三つ編型8交点もないときにどうやって交差点を減らせるか例を挙げます。例として、この closed 3-braid の交差点の数を減らします。まず RIII 変形をして、この交差点(ピンク色)を共役をとって矢印の方向へ移動し、この−2ねじれ(オレンジ色)に3ねじれを加えて1ねじれにします。この2ねじれ(オレンジ色とピンク色)に−3ねじれを加えて−1ねじれとし、交差点の数が2個となります。以上です。

林研究室トップへ戻る