これまでの研究の概要
私の研究領域は統計的多変量解析の推測理論である.
統計的多変量解析は, 主成分分析・判別分析・回帰分析など記述統計的方法と多変量分散分析法・多変量回帰分析法などの数理統計学的方法の2つの分野に大きくわけることができる.
コンピュータの普及に伴い, 多変量解析の手法の実用化がこれを利用してなされ,
様々な分野で広く応用されるようになった. 一方, 私の研究領域である多変量解析における統計的推測理論は, 標本分布理論・最適推測理論・大標本漸近理論などの分野にわかれる. 私は,
最適推測理論における同時推定問題をテーマとして研究を進めてきた.
多変量正規分布の平均ベクトルもしくは分散共分散行列を同時に推定することのように,
多変量分布の未知母数を同時に推定することを考え, その推定量の最適性を研究することである.
多変量正規分布の標本平均は推定すべき母数の次元が 3 以上になると最適性を失い,
非許容的になることが, C. スタインにより 1956 年に発見された.
標本平均は平均ベクトルの一様最小分散不偏推定量であるが, これが最適性を失い,
非許容的であることは当時の驚くべき結果であった.
同時推定問題における通常の推定量の非許容性やそれを改良する推定量の研究は, 発見者の名前にちなみスタイン問題と呼ばれ, 多くの研究者がこの問題に取り組んでいる.
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