3.肥満と免疫


近年の急激な食生活の変化・西欧化に伴う脂質摂取量の増加やエネルギーの過剰摂取など、肥満は医学的にも社会的にも大きな問題となっています。
 肥満は高インスリン血症、インスリン抵抗性などの内分泌・代謝異常を伴い、その長期の合併症として脳動脈及び冠動脈疾患、高血圧、高脂血症、2型糖尿病の頻度が高いことが知られています。一方、
肥満者では、感染症や種々の癌の発症率も高いことが報告されており、これには肥満によって生じる免疫機能の低下が関与していると推測されています。
 ヒトの肥満の成因には遺伝、食生活などの種々の因子が存在しており、成因についての多方面からの研究がなされていますが免疫系に影響を与え得る様々な内分泌・代謝異常及び循環器異常については個体差も大きいため、必ずしも明らかにされていません。
 そこで、本研究室では
肥満における免疫能の変化にどのような因子が影響を及ぼしているかを調べています。
脂肪細胞生因子と炎症

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