ダイエット食品ではダイエットにならない
ダイエット食品ではダイエットにならない!?その理由は?
グーグルでダイエット食品を検索すると、なんと9,710,000件ヒットします。ダイエット食品に対して関心が高いか、また、それと呼応するかのようにダイエット食品と称するものが世の中に氾濫しているかが分かります。
しかし、ダイエット食品を多用してもいっこうに体重が減らないで困っている人も沢山いると思います。これには様々な理由が考えられます。
その一つに、人工甘味料の作用が考えられます。ダイエット食品の多くはショ糖などのカロリーの高い天然糖の代わりに、以前はサッカリンやチクロ、最近ではアスパルテームやアセスルファムKなどの人工甘味料が使われます。ところが、このような人工甘味料を使った食品ばかりを食べているのに、ちっとも体重が減らない場合があります。
私たちの研究室では、マウスにショ糖とサッカリンを毎日交互に与えると、ショ糖を与えた日よりもサッカリンを与えた日のほうが餌の摂取量が増加することが観察されています。また、米国国立衛生研究所の研究*によると、ショ糖ばかりを与え続けたネズミとサッカリンばかりを与え続けたネズミでは、後者の方が餌を食べる量も増えていく結果、体重が減るどころか、返って増えることにもなるということです。
これは、私たちを含む動物は、甘いものは先天的にカロリーが豊富な食物であることを知っているために、甘いものを食べた後に血糖値が上がって来ないとこれを補うために余分にカロリーを摂取してしまうからだと考えられています。人工甘味料に頼らず、天然の食物を上手に食べ分けることこそ、私たちの身体に備わった機能を最大限に発揮する方法なのです。
*Swithers SE & Davidson TL (2008) Behavioral Neuroscience 122:161-173
物質生物学科 宮本 武典
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