手書き文字で描くまちの駅
― 図式はないけど形式はある ―
ビルは一つ一つの独立した意図があるが、その間にはなにもない。そこにはルールのない隙間・余白がある。その場所こそが人々の拠り所になるのではないかと考えた。自分の過去作品に手書きの S 字と C 字の絡み合いによってできた建築がある。そこには図式的ではない、 文字のもつ形式性があることに気づき、文字について分析を行った。そして、手書き文字を採用することで、「図式はないけど形式はある」となり、文字を用いることで人間にとって認識しやすい建築になると考えた。 本設計では、水平と垂直という幾何学から脱しながら、⻑い時間をかけて自然の中から記号として抽出されてきた文字という人間の根源的な認識に関わる形態を組み合わせることで、 内外に多種多様な魅力的な空隙をつくりだしている。それらに人々は、自然界における洞穴 や木々の梢の中でのように、自由で発見的な関係を見つけ出すだろう。建築というよりもそれらの物体としての“もの”に纏わりつき、それらの“もの”と“もの”の間にできた空間で、縫うように過ごすことができる場を提供する。
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