空間知覚における自覚化を目的とした「あぶくの建築」
―聴覚による密実な媒質―
空間知覚を自覚化することを目的とした新しい外被の提唱であり、設計手法へと転用できる可能性を示したものである。
「空間」には、媒質が存在している。しかし、人間が視覚による空間知覚に依存をし始めて以来、意識され無くなり、それは身体に元から備わっている「空間知覚」というアビリティの忘却であるともいえるだろう。
周囲の媒質を自身に引き寄せ、密実にすることで、空間を知覚・獲得する瞬間がある。密実な媒質は自身をとりまく泡のように、共に移動し周りの環境に影響されながら拡大縮小したり濃度を変化させる。これほどまでに視覚が優位に立つ現代、それまでの人間は耳から入力する情報こそが正しいと理解していた時代が長く続いていた。視覚からの情報は記憶や知識によって錯覚を生じる。対して聴覚による情報は他の何にも影響されず直に入力するとされている。そこでこの「あぶく」は、聴覚による空間知覚の操作によって発生させることができると仮定し設計手法を抽出した。自身のあぶくを拠り所にすることで、壁に隔たれることなく、他者と空間を共有することが出来ると期待する。
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