皮膚で感じる都市型美術館
ー他者と共有するひとり空間の創出ー
私たちは、皮膚感覚によって身体の内外の境界を感じる。皮膚から衣服、衣服から他者へと皮膚感覚を伸縮させ、自己の領域を形成することで心地良いひとり空間を実現するのではないか。
現代の都市においては、身体スケールを遥かに超える高層の建物が建ち並び、人や車が忙しなく行き交う中で、自己と他者は分断されていると同時に、他者の目を気にして心地よくひとりになれない。このような都市の中でも美術館には、他者と空間を共有しながらもひとりになれる空間が実現すると考え、高層ビルの低層部に収められた美術館の改修を提案する。中央の吹き抜けと各階のフロアのずれによって、自然環境のように身体的に周囲の都市空間を知覚し、吹き抜けを介した向こう側の他者の存在を間接的に感じること、作品を鑑賞する展示室と休憩や動線になるロビーに空間の変化をつけることで自己の皮膚感覚を伸縮させる。
この都市型美術館で、美術鑑賞を通して皮膚感覚によって他者とその周辺環境と対峙することで、都市に暮らす人々の心が満たされていくことを期待する。
比護遥
▶︎ 梗概
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