〈原初的操作〉が繰り返される建築体験
子どもの積極的に想像でものを見る力が、大人になるとなぜ失われるのだろうかという疑問を出発点に、メルロ=ポンティの<原初的操作>の考えから、大人と子どもを比較考察した。子どもは対象を理解できないまま何度も<原初的操作>を繰り返すが、大人は瞬時に対象を認識すると同時に心像が固定されるように、対象物を認識するに至るまでに<原初的操作>が繰り返される⻑さの違いがあることが分かった。修士制作では、この感覚を建築体験に展開させる。心像と対象の結びつきにくさ、場所のイマージュの身体への刷り込まれやすさが同時存在していることが必要であるとし、建築の空間体験を2 軸4 象限で分類し、建築構成とその組み合わせを分析する。比較分析を通じて、<原初的操作>を引き起こす建築構成を整理し、その気づきを応用してモデル化を行い、公開空地に広場を設計する。提案した建築によって、主体がその建築やその場にいる人、外部環境といった対象に対して柔軟に関係を構築し続け、身体を通じて心像が変化し続けている居場所が生まれることを目指す。
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