街路の目的化
―場所の記憶を継承する再開発―
都市空間において、街路は最もドラマチックな生活の舞台である。人々が目的を持たずに歩くとき、街路には思いがけない発見や驚きが溢れ、歩行者に喜びや新たな視点をもたらす。しかし、現代都市では建物が提供する視覚的な情報が乏しく、歩行者は明確な目的地に向かって直線的に進むことが常態化しているため、街路本来の豊かさが十分に発揮されていない。目的地が都市空間を埋め尽くし、街路はその「隙間」として、わずかな移動時間を過ごすためだけの場になりつつある。人々の行動が予測可能な目的地で構成された都市において、単なる移動手段として消費される道に再び偶然の発見や豊かな体験をもたらすための都市空間の再構築をする。
現在都心で進められている高層ビル中心の再開発ではなく、横方向に広がる再開発を野方駅で実施し、他の地域にも波及する新しい都市再開発のモデルケースを提案する。
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