公共空間の庭化

― 場所を使う能力を高める ―

 

現代の公共空間は自分の「こうしたい」が用途や常識によって抑圧され、場所を使う能力が失われているのではないか。そんな気づきから庭という言葉の意味を問い直し、物を置くことで人間が本能的に場所を発見・獲得する行為を「庭化」と名付け、庭化の促される公共空間を設計したいと考えた。 庭化が起こりやすい場所を考えるために、街中で見かけた庭化の事例を分析し、要素を抽出した結果、要素とその配置の状態による構成がきっかけとなり庭化が起こることが考察できた。 敷地は整然とした街並みで庭化が起きづらい番町の一角とし、住宅や図書館、集会室などの施設を持つ複合施設を計画した。公共空間を庭化の起こるプロセスが成り立つよう要素を構成し、流動性のある大空間による曖昧な領域と、合理性を持ちつつもズレが生まれるような空間によって、人々が能動的に居場所を見つけだせる公共空間を目指した。庭のもたらす豊かな風景が、人々に愛着をもたらすとともに、都市の共有財産として地域の価値向上につながることを期待している。

 

 

吉田 凪沙

梗概

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