7月6日
l 人工的に合成したジアシルグリセロールの長期摂取は、体に良くないと聞きましたが本当ですか?
似た話として、ダイエット効果があると言われる共役リノール酸は、長期摂取すると体内でインスリンの働きが悪くなることが知られています。このメカニズムとして、脂肪細胞はインスリンの働きを助ける善玉サイトカインを分泌していますが、共役リノール酸の摂取によって萎縮してしまい、善玉サイトカインの分泌量が低下することが知られています。
さて、本題のジアシルグリセロールですが、これは通常の食品油にも数%含まれており、今の所、ジアシルグリセロールには特に健康被害は報告されていないようです。しかし、合成された化合物を過剰に摂取する行為には不安がつきものなので、もし現在、メタボの心配がない健康体であれば、ジアシルグリセロールにこだわって大量摂取しなくても良いのでは・・・と思います。
l リノール酸からアラキドン酸ープロスタグランジンの生成はどのようになるのでしょうか?ロイコトリエンやトロンボキサンが合成されると怖いのですか・・?
リノール酸が摂取されると自動的にアラキドン酸→プロスタグランジンに変換・・・という訳ではなく、特にアラキドン酸からプロスタグランジンへ変換される際にはシクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素によって調節されています。確かにロイコトリエンやトロンボキサンが不必要に過剰に産生されると喘息をはじめ、アレルギー反応が持続する原因となりますが、免疫反応が必要な際に、必要な組織に必要な免疫細胞を招集する働きがあります。
l ひいおばあさんが、「夜寝る前にコーヒーを飲むと翌朝便通がよくなる。」というのですが、どうしてでしょうか?風邪を引いたときに、こめかみに梅干しを張ったことがあるのですが、効果はあるのでしょうか?
僕は夜コーヒーを飲むと眠れなくなるので絶対飲みませんが、コーヒー(恐らくカフェインが主要な活性成分)には便通改善効果もあるようです。また、カフェインには発汗促進作用も知られています。僕はジムで運動する前にコーヒーを飲みますが、いつも運動後は滝の汗&トイレにダッシュしています。
こめかみに梅干し・・・したことはありませんが、そういえば僕もどなたかから聞いたような・・・
梅干し中の主な機能成分は塩とクエン酸だと思いますが、それらが肌から浸透するとは思えません。あ、今ウェブで調べたら、科学論文ではありませんが、梅干し中に含まれるベンジルβ‐D‐グルコピラノシドに鎮痛作用があるとのことでした。「こめかみに梅干しを貼る」って、貼ってる所を想像すると罰ゲームのようですが、一体誰が発見したのでしょう!?
A:勝ったー、じゃあお前が梅干し貼れ!
B:分かったよ・・・あれ、何か頭痛が良くなったような・・・
という会話が江戸時代(?)になされたのかも知れません。なお、僕はおばあちゃんに、喉が痛いと言ったらガーゼにくるんだネギを首に巻かれたことがあります。これはネギに含まれる硫化アリルという成分が、抗菌作用、発汗作用があるためと考えられています。おばあちゃん恐るべし。
l お酒を飲むと太るというのは、お酒と一緒に食べるおつまみの影響でしょうか?それとも、お酒の糖質の影響でしょうか?
エタノールはアルコール脱水素酵素によってアセトアルデヒド、さらにアセトアルデヒド脱水素酵素によって酢酸に代謝されます。酢酸は水と炭酸ガスに分解され、体の外に排出されます。したがって、純粋にアルコール摂取のみなら太りませんが、アルコールは脂肪の合成を促進する作用があるため、アルコールを飲みながら色々と摂取したり、糖質の多いアルコール飲料を多く摂取すれば、太る方向に進むでしょう。さらに、アルコールを分解するには体内の糖を消費するため、体は空腹と勘違いして、ついつい飲み会の後にラーメン屋に行ってしまいがちです。これは、アルコールによる脂肪蓄積促進作用&寝しなのラーメン(高カロリー)で、間違いなく太るでしょう。しかし止められない・・・
l
眠りが浅いのですが、どうしたらよいでしょうか?
眠りが浅いと疲れが取れずに辛いですよね。僕の場合、硬すぎず柔らかすぎない寝具が重要だなと実感したことがあります。あと、先日テレビで、聖路加国際病院・理事長の日野原先生(百歳間近!)が、うつぶせで何かに抱きつくように寝る(うまく説明できなくてごめんなさい)と快眠できると話しており、僕も良くそのポーズで寝ます。
余談ですが、頭がボーッとする時は、自分は机の上で積極的に昼寝をします。例え10分でも、昼寝はすごく疲れが取れますよ。そういえば、アメリカ留学中、良くラボの机で昼寝をしていたせいか、クリスマスパーティーで大学院生から枕をもらったことがあります。アメリカ人って職場で昼寝しないんですよ!
l 筋トレしても部分的に筋肉がつくだけで、脂肪は減らないので細くならないと思います。
本当に局所的にしか筋トレしなければ、痩せる効果は少ないかもしれません。しかし、筋細胞は脂肪細胞より基礎代謝が高いので、筋肉がつけば脂肪の燃焼しやすい体になると思います。なので、息を止めて力むような筋トレをする必要はありません。出来るだけ全身の筋肉を使えるような軽い筋トレを行えば、脂肪燃焼に効果的だと思います。
l ジアシルグリセロールとは、中鎖脂肪酸のことですか?
脂肪酸は炭素鎖CH3-CH2-CH2-の繰り返し配列の先端にカルボン酸がある構造ですね。中鎖とは炭素鎖が8つ位までの脂肪酸のことです。これに対して、ジアシルグリセロールは、グリセロールに脂肪酸が2つ結合した構造であるため、中鎖脂肪酸とは異なります。
l 野菜ジュースの摂取は太りますか?
ものによっては糖分含量がかなり高い商品があるので、体に良いからと言って過剰に摂取すると、太ると思います。
l アレルギー体質の改善方法を教えてください?
昔病院で、「アレルギー体質を改善したいのですが・・・」とお医者さんに尋ねたら、「体質なんて変えられないんだよ」と、怒られたことがあります。そんなにいけない質問だったのだろうか・・・!?
僕は鼻炎持ちでたまに耳鼻科に行きますが、耳鼻科の先生曰く、「体調の良い時も抗アレルギー剤をしっかり飲んでいると、体がアレルギーを忘れてしまいます」と教えて下さいました。抗アレルギー剤のアレグラを朝晩数年飲んでいたら、おかげさまで僕の鼻炎は非常に良くなりました。アレルギー体質はすぐに改善できませんが、アレルギー反応を出さないように努めると、少しずつ克服できるのではないかと思っています。
l 病院で、一か月位便秘をしていた人がお医者さんに、「もう少しで死ぬところでした」と言われたそうです。本当ですか?
便秘の期間が長いと腸閉塞をおこして、最悪の場合は死に至ることがあるようです。しかし、一ヶ月とはすごいですね。
l 車酔いの防止法を教えてください?
僕は車酔いは滅多にしませんが、以前、福岡から船(ビートル)で韓国に行った際、すごく船酔いしました。帰りの船で気づいたのですが、酔わないように下向いて力んでいるより、ヘッドレストに寄りかかり、動きに任せて頭を揺さぶられた方が(抵抗せずに身を任せる方が)酔わないことに気づきました。今度試して下さい。
l O型の人は蚊に刺されやすいと聞きましたが本当ですか?
血液型の違いは赤血球上の抗原の違いなので、その違いを蚊が感知しているとはとても思えませんが、実際、血液型によって蚊に刺され易い人と刺されにくい人というのは良く聞きますね。驚きですが、本当なのかもしれません。
l 食事をするときに、1番最初に食べたものが1番最初に吸収されるのは、本当ですか?
(たとえば、揚げ物から食べたら、油の吸収率がよいとか・・)
たとえば、揚げ物から食べたら、その食事期間中、油の吸収率が一番高くなるのでは・・・という質問でしょうか?
どうなんでしょう? 空腹時は吸収効率が高いと言われていますが、揚げ物→炭水化物という順番で摂取したら、揚げ物の吸収率が一番高くなるのか、私は分かりません。しかし、それぞれの栄養素が摂取されたら、その刺激に伴って各栄養素を消化する酵素が分泌されるので、一番空腹時(食事の最初)に最初に入った栄養素を消化する酵素が一番分泌されやすいことはおこるかもしれません。確信がなくてすみません。
7月13日
l 緩衝作用のところで、Bケトン体はH+が増えると減らすほうに作用するので、代謝性アルカリローシスではないですか?
血液中のH+が増えると、緩衝作用によってH+濃度を減らそうと働きますが、緩衝作用では対処出来ない程ケトン体の産生が多く(例えば糖尿病の悪化など)なると、血液は酸性に傾き、ケトアシドーシスになります。
l 母は便通がよくなるといって、アロエ粉末を毎日飲んでいるのですが、体に対する悪影響はあるのでしょうか?(発がん性とか)
アロエ粉末が体に悪いと聞いたことはありませんので何とも言えませんが、それで体調が良いと思うのであれば大丈夫かもしれません。(ご参考までに)緑茶は体に良いと言っても、茶葉を粉砕してまるごと飲むことは、過剰摂取すると良くない成分を大量に摂取することになるので、余りお薦めしません。
l 父がピーナッツを食前に一袋食べてしまいます。注意しても効果がありません。何か良い方法はありますか?
ピーナッツは不飽和脂肪酸を含み、適量はむしろ体に良いと言われております。しかし、食べ過ぎは脂肪の過剰摂取につながり良くないですね。是非、お父さんを説得できる良い方法を探してみて下さい。
l ”ヤマヒツジ“はヤギのことですか?
いいえ、将来僕が飼う(かもしれない)ヤギの名前です・・・!?
7月16日
l 私は豆乳ではないのですが、トマトベースの野菜スープを飲んでいたら、体重も減ったし、多少食べ過ぎても体重が増加しなくなりました。ただ、豆乳もよく飲むのでどちらの効果か、よくわかりません。
トマトベースの野菜スープ・・・自家製ですね? ビタミン&食物繊維etc豊富で、本当体に良さそうですね。余り関係ないかも知れませんが、結婚した男性の友人は体重が減る人が結構います。男一人で食事に気を遣わずに、ただ何でも食べるより、結婚して、体に良いものを適切に食べるようになると、それだけで痩せることが多いようです。豆乳が良いのか、野菜スープが良いのか分かりませんが、体に良くて代謝が亢進しているのかも知れません。
l TVで「豆乳+100%ブドウジュースは肌に良い」と言ってました。効果はないかもしれませんが、私は100%オレンジジュース、またはパインジュースもいいです。配合割合は1:1ぐらいがいいです。
混ぜて飲まないといけないのか、もしくは別々に飲んでも必要量飲めば効果があるのか知りたいです。
栄養の観点からではないですが、僕は牛乳にオレンジジュースを少し入れて飲むことがあります。恐らくカゼイン等がオレンジの酸味で不溶化したのだと思いますが、見た目も味もヨーグルトのようになります。「で・・・?」と言われそうですが・・・
l アイスクリームは冷たい体温を上昇させるためにカロリーを使うのであまり太らない。と聞きました。本当でしょうか?
冷えたアイス(通常の状態)と溶けたアイス(室温)では、冷えたアイスの方が太らない・・・ことはないと思います。仮に冷えたアイスが体温を上昇させるためにカロリーを余分に使うとしても、それは極わずかであり、安心して多く食べて過剰摂取したカロリーの方が問題になるでしょう。あと、冷えたものを多く摂取した際のマイナス面の方が強いと思います。
l ジャガイモでパックしたらよいでしょうか?美白クリームは本当に効果があるのでしょうか?
ジャガイモパックははじめて聞きました。ビタミンCの効果を狙ったものでしょうか・・・
通常、美白クリームはメラニン合成に関与するチロシナーゼを阻害するものが主だと思いますが、チロシナーゼを天然物で阻害することは可能なので、効果あると思います。
l 今朝の新聞で、ほくろの皮膚癌について記事がありました。先生の話から、医療などの記事にも目を通す癖がつきました。
新聞のサイエンス記事って全くばかにできません。広く分かりやすく解説していますので、読む週間をつけるといいですね。
l アレグラの質問を答えてくれてありがとうございました。ちゃんと薬を飲んでアレルギーが出ない状態を続けたいと思います。
アレルギーは症状が出てから対処することも大切ですが、症状が出る前から予防することも大事なようです。アレグラは薬価が高いですが、お医者さんの指導の下、続けるといいですよ。
l
元気が出る方法を教えてください。
ずばり「恋する」ことでしょう!恋をするのは必ずしも異性だけではなく、スポーツ、勉強、仕事etc.、熱中できる何かを見つけることだと思います。なお、「恋する対象」は何もしなければ見つかりません!
l 私の弟は高校生なのに高コレステロール血症です。コレステロ−ルの高い原因は、体質(遺伝)、それとも食事にあるのでしょうか?
高コレステロールは体質(先天性因子)によるものと、食生活(後天性因子)によるものがあります。食生活は悪くないのに家族共々高コレステロールであれば、先天性による可能性もあります。しかし、若い人は健康でも高コレステロールであることが多く(特に女性)、必ずしも高コレステロール=即治療が必要ではないようです。医師の診察を受けて、原因が分かると良いですね。
l 私の祖母は牛乳を飲むと熟睡できると言います。牛乳にはそういう成分はあるのでしょうか?
寝しなに暖かい牛乳を飲むと良く眠れるということはたまに耳にします。ご存じの通り、牛乳は蛋白、カルシウムが吸収されやすい状態で適度にふくまれており、体に良いとされていますね。睡眠導入物質が含まれているというより、体に良い栄養素が適度に配合されていることから熟睡できるのではないかと思います。
l 私は高3の時、アルコール消毒アレルギーであることがわかりました。いきなりアレルギーがでることがあるのでしょうか?
体調不良などにより免疫機能が低下していると、自己と非自己が見分けにくくなったり、過剰な免疫反応がおきてしまったり、免疫系の制御が上手く働かずにアレルギーが起こりやすくなります。そのため、体調不良の時はあれもこれもと、様々なものにアレルギー反応が突然出ることがあるようです。しかしこのような場合、体力が回復するにつれて、様々なアレルギー反応も一気に改善するそうです。これと似た理由で、幼児は免疫系の発達が不十分であるため、様々なアレルギーを発症するケースが多いですが、大半は成長に伴って免疫系が発達してアレルギー反応が消えてしまいます。
l 純粋なアルコールであれば、すべて熱になり、脂肪になることはないと聞きました。しかし、アルコールは熱産生した分、食物からのエネルギーが余るので、やはり飲みすぎは太ると私は思います。何も食べないで、糖分を含まないお酒だけならばふとらないかもしれません。
僕もその通りだと思います。さらに、アルコールを摂取すると、脂肪蓄積を促進する酵素の働きが上昇するため、飲酒時に同時に摂取した食べ物は蓄積されやすいそうです。したがって、通常の「飲酒しながら飲み食い」は太ると思います。