皮膚のアンチエイジングを目的とした、天然物由来AGEs生成抑制化合物の探索

 

AGEsとは

メイラード反応は前期及び後期反応に分けることができます。前期反応では、還元糖のアルデヒド基がN末端アミノ基や、リジン残基のε-アミノ基と反応してシッフ塩基を形成した後、1,2-エナミノールを経てアマドリ転位産物を生成します。これらの前期反応生成物は、酸化・脱水・縮合などの複雑な反応を経て褐色化・蛍光・架橋形成などの物理化学的特徴、又、AGE受容体によってリガンドとして認識されるという生物学的特徴を有するAGEs(Adovanced glycation endiproducts)へと変化します。即ち、AGEsとは前期反応生成物が複雑な反応を経て不可逆的に生成された構造体の総称であり、現在、生体に存在するAGE構造として蛍光性・架橋性を有するペントシジン、クロスリン、また、非蛍光性・非架橋性のイミダゾロン、カルボキシメチルリジン(CML)やピラリンなどが知られています。

 

老化関連疾患である糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病の発症に伴って、AGEsの蓄積が顕著に増加することが知られています。その中でも現在我々は、AGEsの蓄積と皮膚との関係について研究を進めています。

 健康な皮膚は、コラーゲンを産生する重要な細胞である繊維芽細胞(fibroblast)が、周囲のコラーゲンを引き寄せることで肌にハリをもたせています。しかし、コラーゲンに老化物質であるAGEが蓄積すると、繊維芽細胞の働きが悪くなり、周囲のコラーゲンを引き寄せられず、肌の弾力は低下してしまいます。(2)

 

 

 そこで、天然物成分よりコラーゲンのAGE化を抑制する化合物を探索し、このコラーゲンのAGE化を阻害することによって、肌の張り低下に対する改善効果を検討しています。

  現在は、ELISA法による様々なAGEの検出、HDF(human dermal fibroblast)の三次元培養 を行い、コラーゲンのAGE化に伴う細胞マトリックスの収縮低下を確認しています。