こんにちは、ゆりかです。
今回は2019年6月2日11レースの第69回安田記念でのロジクライの斜行について扱います。
16番ゲートの後ろから、スタート直後に全力疾走してきたJRA職員に驚き、武豊騎手騎乗のロジクライが斜行したという説が注目されています。
実際にパトロールビデオを見たところ、やはり自分の真後ろでマジダッシュしたゲートスタッフに驚いて、ロジクライが斜行したように見えます。
というのも、発走直後に全力疾走した職員とロジクライの斜行が完全にシンクロしているように見えました。
私も知らないおじさんが物陰から急に出て来て、全力疾走で近づいてきたら、ビックリすると思います。いえ、ビックリを通り越してビビって逃げそうです。
馬の目は真横に付いているので、真後ろ以外の350度見えます。ちょうど17番ゲートが空いており、そこから疾走してきた職員に驚き、咄嗟に避けようとしたのではないか、というのがよくある説です。
また、馬は人間と違って近くのものがぼやけて見え、遠近感覚が人間より劣っていると聞きます。
それを考慮すると、ロジクライはいきなり全力疾走してきた職員が自分の死角に回ったように感じたかもしれません。怖かったでしょうね。
職員のマジダッシュが、ロジクライにとって斜行として表れたのかは、今のところ明言されていません。
馬は音に敏感で、耳を180度クルクル回し、接近してくるものの足音から方向を探ります。人の聞こえない超音波を聞くこともできます。トラブルも競馬の醍醐味で、「これも含めて競馬」だと考えることもできますが、臆病で敏感な動物として知られる、馬の後ろを全力疾走する行為は、改めた方がよいと思います。
16頭で行われたレースで、16番ゲートに位置したロジクライが斜行し、内の枠番15番ダノンプレミアム、14番アーモンドアイ、13番ペルシアンナイト、12番ロードクエストの4頭が不利を受け、武豊騎手は1日間(2019年6月8日)の騎乗停止処分を命じられました。
14番のアーモンドアイは1番人気(オッズ1.7倍)。15番のダノンプレミアムは2番人気(オッズ3.5倍)。夢の2強対決が期待されていました。
「1日だけ?!」と驚いた方も多いと思いますが、武豊騎手はロジクライの斜行を必死に止めようと手綱を一杯まで引っ張っている様子が確認でき、故意ではないことが分かります。
また、いくら騎手でも50キロ前後の人間が、400~500キロのサラブレッドを引っ張れる訳がないとコメントしている方もおります。
マックイーンの天皇賞(秋)時は、内の進路を選択したために、騎手自信が馬を導き斜行してしまった例ですが、
今回は騎手ではなく、馬のロジクライ自身が選んだ進路だと考えています。職員が左から走ってきたので、右に逃げようとしたのではないでしょうか。
斜行の原因について、武豊騎手は次のように述べています。
武豊騎手「スタートして1歩目は真っ直ぐ出たんですが、物見して内に寄れてしまい3、4頭に迷惑をかけてしまった。申し訳ないです」
「物見」とは、馬や人の影など、何か動いたものや他のものに注意を向けること。
この「物見」こそ、スタート直後に後ろを颯爽と駆け抜けた職員ではないかと言われています。
さらに、武豊騎手の制裁が軽いのは、この職員のダッシュが関係しているのではないか、とも言われているようです。
斜行との因果関係がどのくらいあるかは分かりませんが、今後はスタート直後に職員がマジダッシュするような行為は禁止にした方が、より公正な競馬に近づくのではないでしょうか。