街でイルミネーションの飾り付けがはじまりクリスマス仕様になっていく中、未だに7月気分のさやかです。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。あと一ヶ月と少しで今年が終わるなんて信じられませんね。
今回も近況報告をしたかったのですが、特に面白い出来事が無かったので、最近読んだお気に入りの本紹介をしようかと思います。
ここ最近、推しの作家さんが連続で作品を出されたり、とある人と本の貸し借りを始めたりと、読書熱が強まっております。色んなものに追われ、読書時間が充分とれているわけではないのですが……
【お気に入り①】綾崎隼『盤上に君はもういない』
はい。私の推しの作家さんです。中学生の頃からずっと追っかけています。
みんな仲良くハッピーエンドよりも、どこか悲しみとか虚しさが残る結末が好きなものでして、そんな私の趣味にどんぴしゃな方でございます。
二人の女性が史上初の女性棋士を目指し戦うという今回のお話。将棋は駒の動かし方程度しかわからない私でも、将棋にハマってしまいそうなくらい対局の描写が魅力的。そして、女性棋士を目指す天才少女も、病弱というハンデの中少女と戦う女性も、そんな二人を見守る観戦記者や、周囲をとりまく全ての人がかっこよくて。中でも、私が素敵だと感じたのは、病弱でも戦う女性・千桜夕妃。頭脳戦といえどやはり体力勝負でもある将棋で、身体が弱いというのは圧倒的不利です。それでも、彼女なりの信念を持って挑む姿勢が本当にかっこよくて、結末では一人部屋で号泣しました。彼女のような、しなやかな芯のある女性になりたいものです。
【お気に入り②】三秋縋『恋する寄生虫』
タイトルが印象的でずっと読みたいと思い何度も手に取っていたのですが、「うーん、今じゃないかな…」となんとなく読まないでいた作品。本の貸し借りをする中で幸運にも読ませていただいたのですが、私はなぜこんな素敵な作品を読まずにいたのか……
失業中の男と不登校の少女。うまく社会に馴染めない欠点を抱える二人が出会い、果たしてどんな結末を迎えるのか…というお話です。色々感想を書きたいのですが、明らかなネタバレになってしまいそうでヒヤヒヤしながら書いているのですが、うーん、どこまでなら許されるのか。
作品の中で、二人は重大な選択に迫られることになります。その答えが読者の心を抉ってくるわけですが、読みながら「もし自分ならどんな選択をするだろう」と考えさせられました。正解なんてなくて、きっとその人の人生観とか価値観とかそういったもので決めるしかない問題にぶつかった時、自分ならどうするか。私だったら、選ぶことすらできないかもしれない。そんなふうに思った時、登場人物二人のとった選択が(結果がどうであれ)すごく愛おしくて、あたたかい気持ちになりました。
他にも色々書きたい作品があるのですが、長くなってきたので今回はここまでにしようかと思います。
秋の夜長に、みなさまも本を一冊いかがでしょうか。それでは、また!