おせんだんご

こんにちは、ゆりかです。

私は書道及び書道史を取ろうと思っています。

文字の歴史を知り、実際に書くという授業なのですが、この授業を機に、新しく筆や用具一式を買おうと考えています。

そこで、13日に先生に教えてもらったルートで書道センターに行ってきました。

大学のテニスコートをまっすぐ進むと学寮につきあたり、

寮の前の道をそのまま左側に直進します。

すると、セブンイレブン(左手)や赤丸ベーカリー(右手)がありますが、ひたすら直進します。

ちなみに、赤丸ベーカリーの前にある自販機にはネクターが売ってます。

それは置いといて、遮二無二直進すると線路が見えてきます。

大島神社とファミリーマート(たしか)の間の道をgo straightして、東京音大を抜けると大通りに出ます。

目の前に歩道橋が見えますが、信号をまっすぐ渡って、右に進むと河合塾の看板があります。

河合塾の手前の左側の道に進むかどうか迷っていると、電信柱に書道センターの文字が…。

あとは、電信柱に案内してもらえば思いの外、簡単に目的地です。

帰り道に東京音大の左側にある鬼子母神によって、お茶屋さんでお団子を食べました。

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お餅のようにもちもちしており、なぜか604円(たしか)。

あんこは後味さっぱり、上品なこしあん。お茶との相性は抜群です。

お団子を頼むと「おせんだんごのしおり」が手に入るので、詳しい江戸期からの成立の歴史とネーミングの由来を知ることができます。

ちなみに、毎週月曜日と火曜日は定休日となっているようですよ。おせんだんごに興味が出た人は気が向いたら訪ねてみてはいかがですか?

自主ゼミをPRする時間がすっかりなくなってしまいました。

私たちが所属する「まじめに楽しく」をモットーに活動している中世自主ゼミは毎週火曜日に百年館5階の演54にて活動しております。

今期は中世王朝物語『とりかへばや』を扱います。石井先生が好きな方、文学史で中世を取る人、ぜひ見学に来て下さい。

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ガールズ★コレクション制作中

こんにちは、ゆりかです。

現在、中世文学ゼミの『無名草子』ガールズ★コレクションに向けて制作中です。

文字も手書きということで、「字はその人の人となりを表す」と言われれば、無駄に緊張して手が震えています。

文字のフォントなど、デザインを考えるだけでも時間を消費します。

どこまでやればいいのか?という問題は常日頃からつきまとう問題ですが、

現時点で出来ることを精一杯すれば自ずと力は付いてくるのではないかと思います。

満身創痍になると、不安になったり、色々なことが見えなくなる時があります。

そのような場合、人に相談したり、息抜きをしたりと心にゆとりを持つことも必要です。

すると、今まで見えなかったことが見えてきたり、心に余裕を持って作業に取り組むことが可能になります。

『寄生獣』のミギーが最終回あたりで、「心に余裕がある人間は素晴らしい」みたいなことを言っていましたが、本当にそうですね。

自分のことに一杯一杯になっていると、他の人のことが考えられないし、誰かが困っていても気づくことも出来ません。

けれども、何かに夢中になれない人生というのも面白味にかけるし、もったいないものです。

人の人生を代わりに生きてあげることなんて出来ないのだから、まず自分の人生をよりよく生きること。

それだけ聞くと、私生活における白居易の独善(我が身だけは善行を守る)などを思い出します。

人間はどうにもならない時に神に祈りますが、

その神さえ、元はといえば人間の内向的な想像上の産物なのかもしれません。

つまり、神はある種不完全な人間から創造された、完全を目指す人間の理想そのものと考えることができます。

理想です。何もかもうまくいけばいいのに…という。人間の欲望ともいえるのでしょうか。

しかし、その理想を実現させるために生きることにどれ程の意味と価値があるのか。

人間は一人では生きていけない動物。

協力しあい助け合うことが大切なはずですね。

何のために生きるのか?自分の所属する集団で役割を果たしながら、理想を追い求めることなのだろうか…。少なくともそれをしていれば、自然と生き甲斐を感じることが出来ることでしょう。

理想を追及することで、人の役に立てたらいいですね。

ということで、頑張って自分の作業を進めていきたいと思います!人生なんて苦行だ!でも生きていればたまにいいことあるよ!ゆりかでした。

中世自主ゼミ 春の制作まつり

こんにちは!

本日は中世自主ゼミの 春休み活動第1弾 がありました!!
ここ数年、中世自主ゼミでは扱った作品で楽しく遊ぶことを目的に、春休みに制作活動をしています。
一年かけてみんなで読んできたからこそ、作品を理解した上で楽しく遊ぶことができます。
「まじめに楽しく」がモットーの中世自主ゼミならではの企画です!
一昨年は紙芝居(新蔵人物語)

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昨年はキャッチョコ(徒然草)

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そして今年は……
♡無名草子 ガールズコレクション♡

 

 

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特別に表紙案をチョイ見せいたします!

(写真を撮った後、女ずかん はさすがにマズイか、となりました笑)

完成形を思い描きながら、絵師班と文章班に分かれて絶賛制作中です。
進捗などの情報は公式ツイッターで流すので、ぜひぜひ覗いてみてくださいね!!

@tyusei_ji

今日の話し合いの議題に、「原本のサイズ」というものがありました。
特徴的な絵(褒めていない)に定評のある私は、「サイズが小さいと細かくて大変そうだから、大きい方が描きやすいよね??」とコメント。
すると絵師班のせきねとゆりかから…

 

「「小さい方が描きやすいです」」

 

理由としては、小さければ一本で済む線が、大きいとそうはいかないなど、小さい方が手間が少ないとのこと。
なるほど。絵にあまり自信のない文章班の他2人もその答えには「そうなの?!」となっていて、絵の得意不得意は感覚的な違いもあるのかなと感じさせられました…。
ということで、私は文章班一筋として制作に関わっていきたいと思います!笑

これからの活動に乞うご期待☆
以上、ほっしーでした(^^)

自主ゼミとお菓子

こんにちは。

暑くてじめじめした日が続いていますが、やることはきちんとやりたいゆりかです。

中世文学自主ゼミの自分の発表日(2回目)では、当初の発表計画通りゼミ員の意見が飛び交う発表になったと思います。

一応、ディスカッションがない発表になってしまった場合は反省し、改善しなければならないと思っていたので、よかったです。

紫式部の『源氏物語』が月刊連載に似ているという意見が出たり、『源氏物語』の中で囁かれる女の論、人物評には実はまだ登場していなかったキャラクターを示す伏線だったのでは、という意見が出ました。

というのは、『無名草子』の作者が『源氏物語』の「雨夜の品定めいと見どころ多し」と言っていた点がひっかかっていたので、実際に読んでみると『源氏物語』に出てくるキャラクターの紹介文といったような意義を見いだしました。

女三宮などは実に顕著で一番筆が割かれていたといっても過言ではありません。

それに対して、ゼミの先輩が女三宮は『源氏物語』の作者・紫式部にとって物語に登場させることが決まっていたキャラクターなのではないかとおっしゃっていました。

私は『無名草子』「いとほしき女」で女三宮の箇所を担当したのですが、女三宮について調べてみたところ、朱雀院を悩ませる女君として突如『源氏物語』に登場するのが女三宮なのです。

紫式部はあまりにも女三宮の存在がもうそこにいる人として感じていたために、あまり女三宮の登場時に筆を割かなかったのではないかと考えられます。

ここで話が変わってしまいます!申し訳ありません。

時々中世自主ゼミで石井先生からお菓子をいただくことがあるのですが、

どうにも私はあまのじゃくなところがあり、自主ゼミがある水曜日はフルコマでお腹もペコペコなのですが、

いかにも高級そうなお菓子をいただいた瞬間、「私は石井先生に何かお返しできるものはあるだろうか? 」と真顔になって考えてしまい、

結果何も思い浮かばなくて悲しいような、「なんだか悪いな」という気持ちになります。

いとこや私の家族ならば「やったー!ラッキー、先生ありがとう」と言えるのでしょうが、私はどうにも複雑な気持ちになってしまうのです。

毎日楽しく生きたいものですが、考えるべきこととそうでないことの違い、そのボーダーラインは私はまだはっきりしていないようです。

うーむ、ここは素直に笑顔で「ありがとうございます」と言った方がよいのではないか。その方があげる側もらう側の人も気持ちよく過ごせるのではないか。

とかぐるぐる考えていると、ふとした瞬間に「あれ?もしかして、自分は何をしてるんだろう?なんか、バカみたい…」と思ったりします。

思ったことを言語化するのも気が引ける、典型的なコミュ障だなと。

それでは、雨にも負けず、風にも負けず、…夏の暑さにも負けずに演習やレポートなどに取り組んでいきたいゆりかでした。

『無名草子』発表①

こんにちは、ゆりかです。

ゼミで『無名草子』の私の担当箇所の発表がありました。

今回はその反省と次回に向けての心意気を語ります。

自分で思ったよりも該当箇所についてきちんと説明できてよかったです。

しかし、その分時間が押して、議論がさかんであったとは言いがたいので、そこは2回目の発表で補いたいところではあります。

2回目の発表の内容は個人的に気になった部分についてのみなさんの意見を聞きたいと思っています。

けれども、内容は直前まで言いません。出来るだけみなさまには新鮮な感動をお届けしたいと思っているので。

ということで、2回目の発表は議論を中心としたものを企画しています。

そのため、十分に議論する時間をとるため、発表は簡単なものになります。

自分としても他の人の意見が聞けると思うと楽しみなので、レジュメも頑張って作成したいと思います。

最後に絵を描く際に参考に『源氏物語絵巻』を見せてくださった高野先生、心から感謝いたします。

そして、女三の宮いつも親の敵みたいな目で見られてるけど、みんなに「かわいい」って言ってもらってよかったね。

以下はゼミで使った絵図の一部を載せたいと思います。ここまで読んでくださった方ありがとうございます。

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上の画像は中の君

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こちらは女三の宮

 

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最後に浮舟です。

現代社会における女房日記の意味合い

うららかな春から初夏の気配も感じるこの頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

こんにちは!ゆりかと申します。至らぬ点も多々あるかと思いますが、どうぞお手柔らかにお願いいたします。

月曜日の昼休みに高野先生の研究室にお邪魔しました。まあ、つまり中古自主ゼミの見学に行った訳です。

中古文学自主ゼミは今年度は女房日記を扱うそうで、『紫式部日記』などを扱うそうなのですよ。

実は、中世文学自主ゼミも女房日記を扱うんです。『無名草子』というのですが、いわゆる中世の女子会のガールズトークですね。宮仕えを引退した老尼(旧バリキャリ)と若い女房達(新卒)の対談で、女子目線の辛口トークが新鮮です。内容は「序」「物語批評」「歌集批評」「女性批評」の4部構成です。散文文学批評としては最も古く、散逸文学や物語享受研究で重用されています。興味があれば、水曜日の昼休みに石井先生の研究室で中世自主ゼミの活動を行っているので、ぜひ見学に来てみてくださいね。

ここから傾向として、今年は女房文学が中古・中世自主ゼミにおいてブームになっているのではないでしょうか。好奇心がツンツン刺激されます。今なぜ女房日記が熱いのか、ちょっと興味が湧きませんか?現代社会においてこの女房日記はどのような意味があると思いますか?

では、考えてみましょう。時代が求める文学とはなんでしょうか?女房日記とは主体性を持って働く女性像を浮かび上がらせていると考えられます。「働く女性像」!現代社会で女性はどうあるべきかを古典から学ぼうということだと推測できます。おそらくジェンダーのあるべき形を再検討しようとしているのだと思います。

この傾向は振り返ってみればおそらく、マララさんの影響が大きいと考えられます。男女平等が謳わてれるこの時代、男女共同参画社会を推進する安倍政権のもと、必然的に自発的な働く女性像に関心が向いている気がいたします。映画「美女と野獣」のベル役のエマ・ワトソンさんも、国連で「フェミニズム」という形で男女平等と女性の権利に関するスピーチをしていますね。ベル自体、エマ・ワトソンさんや映画「シンデレラ」のシンデレラを演じたリリー・ジェームズさんなどが、ディズニー映画の中でも自立した女性だと評価しています。

このような時代背景から女房日記に「女性のあるべき姿」を求めているのだと考えられます。面白いと思いませんか?

石井先生に質問してみた結果、女房日記には「キャリアウーマンの手引き書」としての意味合いがあると考えられるようです。

さて、それでは新年度を迎えお忙しいとは存じますが、皆様くれぐれもご自愛ください。長文失礼いたしました。

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本日のおすすめ

こんにちは、毎朝花粉で鼻と喉がパワフルにダイレクトにバイオレンスなみのりです!

さてさて、早い人は先週の土曜から、私は昨日から、新年度の授業が始まりましたね。新入生の皆さんはまだまだ大学生活慣れないことが多いでしょうが、だんだんと大学生になったんだなあという気持ちが強くなってきているのではないかと思います…。

学校の桜もきれいに咲いて、日中も暖かい日が増えてきて、春って良いな!!(花粉がなければもっともっと)って思ってたら今日ものすごく雨!!雨の中朝から頑張って私えらい、みんなえらい。雨に打たれて落ちる桜より風で舞う桜が見たい。まあ今日のことはおいといて、最近とても春っぽくなってきましたね。あと桜なんですが、個人的に花も葉っぱも良いけど全体を綺麗に調和させてくれる幹の落ち着いた色が好きです。花単体より木として見たい…みたいな…?

って桜の話がしたかったんじゃなくて、私も新入生の皆さんに何かアピールをしたいと思っていたんでした。せっかくの機会ですから!

まず自主ゼミ!私は何日か前の記事にも出ていた近代自主ゼミに所属しています。詳細はそちらに。大学生活楽しみたい、時間的にも環境的にも今しかできないこと、やりたいことをたくさんやりたい!それは遊びお出かけサークルバイトもそうなんだけど、でも大学には勉強もしに来てる。やれる範囲でいろんな面で充実した生活を送りたい…!!そんなあなたそんな私に本当にピッタリ。堅苦しくなくアットホームに、しかし確実になにか上がっていきます…バイブスかな。笑 しっかり鍛えられるので授業も楽しくなって最高ですよ!近代自主ゼミに限らず自主ゼミはどこもそうだと思います!

入ってすぐなのにそんなこと言わないで!かもですが、大学生活本当に時間が足りないです。私自身が楽しいので自主ゼミオススメしていますが、みなさんそれぞれで自分の今の時間を楽しく充実したものにしてくださいね…!!時間が足りないとは言いましたが、良い時間を過ごすために何をするかを考えて試す時間があるのも大学生活だと思います。選択肢はたくさんありますよ!

それとそれと、サークルは放送研究会に入っています。アナウンス練習やラジオパーソナリティーさんのようにお話をしたり音楽を流したり、機材をいじったりVTR作品の撮影編集製作をしたり、ラジオドラマ(声だけのお芝居?)の脚本を書いたり出演したり、オープンキャンパスの際はツアーガイドや学科紹介説明会の司会をしたりと、様々なことの中から自分のやりたいことができます。副産物(?)としては滑舌が良くなったりフリートークが上手くなったり、美声聞き放題だったり他にも他にも………。私は全く何も分からないまま、とりあえず新しいことしよう!と思い入ったのですが(基本好奇心と衝動で生きてます。)、広がる広がる未知の世界、とっても楽しいです…!!一応詳細としては、

活動日*週1、毎週木曜日の14時から16時

場所*香雪館101

です。4月13日、27日に新入生に向けて番組の発表会をやります!♡

好きな事に思い切りのめり込むのも新しいことにチャレンジするのも、まずは一歩目から。どんどん楽しい大学生活を過ごしてください。授業が始まって皆さんドキドキしているかもですが、大学の先生方は頑張る人の頑張りを本当に近くで見ていてくれます。大学に入って急に言われる「自己責任」という重い言葉も、いくらでも楽しいものに出来ます!今年度もそれぞれに楽しいことたくさんありますきっと!私もまた1年ワクワク過ごします!

そういえば13日の新入生歓迎会では受付をしています!よ!どうぞよろしく!それではまたー!!

 

挑戦はするだけタダ

こんにちは。今日から授業が開始されましたね。1年生の皆様にとっては、いよいよ本格的に新生活が始動してくることと思います。

そこで、今回は私の入っている自主ゼミとサークルを紹介します。「興味はあるけれど、勉強やバイトとの掛け持ちができるか不安だ……。」という方の参考に!特に自主ゼミは日本文学科ならではの活動ですからね!

 

私が入っている自主ゼミは近代自主ゼミです。渡部麻実先生にご指導いただき、前期と後期で1本ずつ作品を読んでいます。去年は横光利一の『赤い着物』と江戸川乱歩の『鏡地獄』でした。論文とレジュメを読み、疑問点をあげて作品を深く掘り下げていきます。秋には1人1人論文を書きますが、書き方などは先生や先輩方がきちんと教えてくださるので心配ご無用!論文を自分で沢山探さないと……ということもなく、作品が入っている文庫本をゼミ費で貰えるのでちょっと嬉しい。水曜日の昼休み、百年館5階の演53にて毎週活動。お待ちしております。

 

そして、サークルは日本女子大学オーケストラサークルです。毎週火・金曜日の放課後18時~20時に、香雪館201にて活動しています。公式のサークルなのでテスト前は丸1か月お休み。夏や春の長期休暇でも週に2回、10時~15時に練習します。学校所有の楽器を使わせてもらえるので楽器を買う必要はなく、先輩後輩の仲がとても良いアットホームな感じです。12月の定期演奏会に向けての練習ですが、4月の入学式(あれは私たちだったんですよ!)や10月の目白祭でも演奏します!初心者も経験者も、新たに別の楽器で演奏したい方も大歓迎ですし、小学生の頃やっていたなーという方でも大丈夫。私は6年間のブランクがありながらの入部でしたが現在楽しくやっておりますよ!来週の金曜、4月14日にコンサートと楽器体験をしているので気になった方はぜひおいでください。

 

「バイトや課題の多さで休むからなー、仕方ない……諦めるか。」というパターンが一番怖いです。私の入っている自主ゼミでもサークルでも、かなり融通が利いていますよ!どうか早々に諦めず、興味のあることに挑んでみてください。合わなかったら、その時は辞めれば良いのです。自主ゼミ2つに入った人も、サークル掛け持ちの人もいます。やってみれば何とかなるものなので、ぜひアタックしてみましょう!

長文失礼致しました。それでは良い大学ライフを!

中世文学自主ゼミ 今年は『無名草子』

こんにちは。ゆりかと申します。

今回は今年度中世文学自主ゼミで扱う『無名草子』の魅力について語っていきたいと思います。

とその前に、まず自主ゼミの説明を簡単にしたいと思います。昼休みに学生が自主的に学びの場を提供する、平たく言えばサークルのようなものです。内容や時間帯(月曜日なのか水曜日なのか等々)は各ゼミによって異なります。学生中心に活動しているので、通常の授業のように堅苦しくもなくもっと自由な意見交換ができます。資料の作り方や勉学のことは先輩が優しく教えてくれます。きっと後期の演習や発表などに役立ちますよ。ちなみに中世文学自主ゼミは水曜日の昼休みに活動しており、場所は百年館8階の石井先生の研究室です。4月の12日・19日・26日のお昼休みにはもう活動しているので、興味がある方はぜひ見学にいらしてください。

さて、今年度中世文学自主ゼミで一年を通して扱う『無名草子』について説明していきたいと思います!冒頭は老女の元に若い女房たちがやってきて色々な話をしてください、と始まります。会話調で『枕草子』を彷彿とさせるような活気のあるガールズトークが魅力です。ツッコミや合いの手が多く、そこが面白いところだと思います。

もう少し詳しく話すと、後白河院に仕え、高倉天皇の御代まで内裏生活を送ったのちに、七十三歳で出家した老尼が最勝光院近くの古屋で女房たちのおしゃべりを聞く、ちょっとした女子会の構成です。全体の約六割が物語論で、その後女性論が繰り広げられ男性論を始めようとしたところで終わっています。そして、この時代は『源氏物語』や『枕草子』などが主に創作のベースとなっていました。そのため、『無名草子』や『徒然草』などの中世随筆文学は『枕草子』に影響されたような表現があります。和歌の分野では、歌壇の重鎮・藤原俊成が「源氏見ざる歌詠みは遺憾事也」という名言を残しています。「『源氏物語』も知らないなんて、歌人としてお話にならない」という意味で、この発言を機に『源氏物語』が和歌の必須の参考書になりました。

物語批評に関しては『玉藻』『とりかへばや』など現在残っていない作品もちらほらあり、中には「『源氏』をまねてるが、失敗してて痛いよね」と酷評されているものもあります。それもそのはず、この時代の物語はあまた作られており、現代でいうラノベのようなものだったのです。まさに大量生産・大量消費ですね。面白いものは残り、面白くないものは自然と消えていくものです。

今年度の中世文学自主ゼミでは『無名草子』の中でも『源氏物語』批評と女性論を中心に扱っていきます‼

『源氏物語』や『枕草子』などの中古文学(平安時代の文学)が好きな人にも『源氏物語』が中世においてどのように受容されたのか知ることが出来ます!ところで、中世とはいつか?というと、ざっと鎌倉時代から安土桃山時代までです!

少し『無名草子』の『源氏物語』批評の内容を紹介すると、最初は「『源氏物語』ほどの傑作はないだろう。紫式部は前世からの因縁で仏の力によってあれほどの大作を書いたのだ」という流れから、「私は『源氏物語』を読んだことがないの、だからどうか私に物語の見所を教えてほしいわ」と若い女房が言ったところから始まります。そこから、「『源氏物語』の中でしみじみと心打たれる巻といえば、桐壺の巻以上のものがあろうか」、「『夕顔』はただひたすら、しみじみと同情心がそそられるわ」などなど女房たちのご意見はたくさんあります。このように、どれどれの巻について一言コメントを付けられるということは、各巻を中世の女性はきちんと読みこんでいるということです。つまり、「源氏の中ですばらしい人は誰?」とみんなで話ができる程中世女性にとっては常識的なたしなみだったことが分かります。

他にも、『源氏』を読んだことがない若い女房が、「『源氏』の中ですばらしい女性はいますか?」と質問しています。これについては、「桐壺の更衣、藤壺の宮、葵の上の自信を律する心遣い、紫の上、明石の君は奥ゆかしく印象的です」と語っています。そして、「強く心ひかれる女性」の最後の方に「又、六条の御息所の中将こそ宮仕人の中にいみじけれ」とあることから、女房たちが「私と同じ官職の人だ」とモブに対してもきちんと目配りしていることが分かります。

また、女三の宮に対しては、柏木との密通の手紙を女三の宮の不注意で源氏に見つかってしまったことから、思慮分別が乏しいためだとして、非難されています。なかなか辛口なコメントですね。同じ女房として六条の御息所なんかいいよねとモブにも目がいき、源氏に対しても「こうであってほしかった」とディスりが入るところは、物語を客観的に見ることが出来る“読み手の成熟”を表しています。

『無名草子』の女性論では、「本当に残念だが女ほど残念なものはない。何事も道を習うならそれなりの人がでるべき。女が勅撰集の撰者になれないのが悔しい。しかし、紫式部が『源氏』をつくり、清少納言が『枕草子』を執筆したように、物語の作者の大部分が女性であった。人前に出ない女性もいるが、それはそれでいい。私たち人前に顔をさらして生きる女房は、紫式部や清少納言、小野小町のように女房として名を残し、あのサロンにあの人ありと言われたい。後世まで名の残らないのは悔しい。勅撰集に女の歌が入るのは本当に難しいんだ。」という、中世女房としての嘆きが書かれている。

この『無名草子』という文学作品から、中世の女房たちがどういう人たちに興味を持ち、どういう不満を持っていたのかが分かるのです。

例えば、『源氏物語』を執筆した紫式部の仕えた一条天皇中宮彰子と、『枕草子』を書いた清少納言の仕えた一条天皇皇后定子のどちらの方がよりすばらしいか、という質問に対して、「定子さまの方が美人で帝の寵愛も深かったようですよ」と答えています。いつの時代でもゴシップは人気なのだそうです。

このように、中世の女性たちは私たちが思っているほど、男性の三歩後ろを歩くような物静かでおとなしい女性ではなく、もっとエネルギッシュで自分から物事を発信し、発言していくたくましさを備えています。アグレッシヴで自立した女性ですね。

石井先生のお言葉を借りるなら中世文学は「全体を通してうかがわれるのは、王朝文化に対する強い憧憬の念」があるのです。

中世において文化的リーダーであった美福門院加賀は、破廉恥な本を書いたために地獄に落ちたと語る紫式部を夢で見たことから、源氏供養を行ったと言われている。『源氏物語』は今のように無条件に高評価を得る作品ではなく、恋愛や密通による王権侵犯というテーマを扱っているために危険視される側面もあったのです。つまり、「仏教的にアウト!」だった訳です。しかし、源氏供養によって、書写という仏教的な方法で供養され、火葬されます。自分で書写した本を焼いてしまうことで、誰の手にも渡らない「わたしだけの『源氏物語』」になる訳です。執着心や独占欲による歪んだ愛ですね。石井先生はヤンデレに近いとおっしゃっていました。つまり、村上春樹やアップルにアンチがいるのと同じように、当時は大変な『源氏物語』ブームだったということの裏返しなのですね。

そもそも仏教において愛欲は罪なのです。ですから、愛欲を前面に出した『源氏物語』に対する弾圧は我々の想像の範疇を超えています。だからこそ、無名草子においても「法華経の経文の一語も入っていないなんて」という批判も出てくる訳ですね。と石井先生がおっしゃっていました(笑)。思い通りにならない政治や自然災害、自分に向けられることのない愛などの生活苦から、「自分ではどうにもならないやるせなさ」が人間を宗教に駆り立てるのでしょうね…。紫式部の『源氏物語』は人間として普遍的な現実のやるせなさがよく現われているのです。毎回ハッピーエンドで終わる「そんなの、綺麗事だよ…」と思う作品群とは一線を画しています。そのため、『無名草子』では紫式部は仏の力を借りて『源氏物語』を作ったのではないかといわれているのです。

と、『無名草子』語りはここまでにして、『徒然草』のキャッチョコカードがついに完成いたしました‼中世文学自主ゼミに見学に来て下さった方々とみんなでカードゲームを楽しむことも夢じゃないですよ!面白いのでぜひ、中世文学に興味のある方は見学を考えてみてはいかがでしょうか?今なら、水曜日の昼休み、4月の12・19・26日あたりに百年館8階の石井先生の研究室に歩いていってくだされば、きっと損はしないはずですよ!

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それにしても、ソメイヨシノがきれいに咲いてますね。青空によく映えます。桜は花びらが全て下向きなので、見上げる角度が一番きれいな花なんです。日本の国花だけにはかなく美しい花ですよね。以上、長文失礼いたしました。

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自主ゼミ勧誘会やります!

ことばって 不思議だ 使い方 ひとつで
傷つけることも あたためるこ↑と↓も↑で↑き↓る↓↓
想いを もっと うまく 伝え↑たい 言葉を↑ 探す↓ 旅に出るゥウウ↑↑~~♪♪

(『ことばを知りたい』オトループhttps://www.youtube.com/watch?v=pU7k2raunCo

今日の面接の感想そんな感じですし、エントリーシート打ってるときそんな感じです。せきねです。

 

さておき。

いよいよ明日、『自主ゼミ勧誘会』が開催されます!

【日時】4月5日(水)お昼休み

【場所】香雪館202教室にて。

 

「自主ゼミ」――言ってしまえば「学生主体の学業サークル」という感じでしょうか。

日本文学科には自主ゼミが9種類もありまして。

上代文学ゼミ 中古文学ゼミ 中世文学ゼミ 近世文学ゼミ 近代文学ゼミ

日本語学ゼミ 漢文学ゼミ 創作ゼミ 国際交流ゼミ

というラインナップです。

作品の読解や意見交換、学年をまたいだ学生の交流、旅行などがざっくりとした活動内容でしょうか。

各ゼミでやっていることは本当にそれぞれです。カラーが如実に出ますねエ…。

各ゼミの詳細は以下のサイトで見れますので、どんなノリかを確認していただければ。

http://mcm-www.jwu.ac.jp/~nichibun/activity/

「ゼミ」というとイメージが湧きづらいと思いますが、サークルを選ぶのと同じように、「自主ゼミ」も選択肢に入れてもらえたらと思います。

 

ちなみに投稿者は「中世文学自主ゼミ」に所属しています。

エネルギッシュでパンクなゼミです。

勧誘会の展示にも力を入れていますので、ぜひともブースへ。