こんばんは。
みずの です。
近頃は本当に冷え込みまして、本格的な冬に入っているのだなぁと実感します。今年は寒いですね。
量そんなに入ってないし…と寒くなってきても出先でホットのペットボトルなどを買うことは少なかったのですが、あれは偉大ですね。あったかい上に中身飲めるんですよこれ…。←
などというわけのわからない事言うくらいには寒さに参っています。
…と言うことで、遂に我が家では、こたつを出しました!わー!(喜)←
気持ちが高まりすぎて、こたつが完成した途端にいそいそと段ボールからみかんを取り出し、お菓子用の器(木製)にいくつか積み重ね、雪崩込むようにこたつにセッティングしたみかんを乗せながら、「ほら!こたつにみかん!みかん!!」と叫び出したのは私です。姉妹から白い目で見られましたが、彼女達はその割にしっかりそのみかんを食べてましたよ…!現在はこたつでアイスを画策中です。
それでは、前回予告したようにサントリー美術館の「お伽草子展」のお話をしようと思っていたのですが、正直な所、12月に入ってしまった今日、
お話するのはちょっと鮮度が落ちてしまっている気がします…。大丈夫でしょうか…。…でも知ったかぶり&素人なりにお話したいので、思ったことを少しお話しちゃいますね。
福富草紙
人物達の描かれ方が大変個性的で平安の絵巻などとかなり違うように思えました。
民衆はもちろん身分の高い人物も、その表情を隠しません。
特徴のある鷲鼻や団子鼻、輪郭、大きな表情は漫画やイラストのようであると感じました。
やはり人物に表情ある絵に慣れているせいか、親しみやすさがありました。
ただ内容があれでしたね…。割と展示の最初の方で出てきて、見た時はちょうどお昼時くらいでしたので、「お、おおう・・・」ってなりました(笑)
是害房絵巻
「是(これ)は害(がい)」ってまさにって感じですよね。
能の「是界(善界)」の元とパネルに書いてありまして、驚きました。
是害房がお坊さん達の邪魔をしにやってくるのですが、メタメタにやられてしまった後に
日本の天狗達によって、介抱の為にお風呂に担ぎこまれる場面を取り上げていました。和みました。
なんだか複数の天狗達がわちゃわちゃしていて、是害房も気持ち良さそうにお風呂に入っているのです。
大きな枡のような浴槽にお湯をかけていく感じだったのですが、ああいったお風呂の形式っていつ頃からだったのですかね?
温泉地はともかく、今のように湯船に浸かるまでって、サウナみたいなものがお風呂だったと聞いた事があるのですが、なんだか気になる描かれ方でした。
鶴の草紙
よく知られている「鶴の恩返し」の元となったお話のようでしたが、所々違う所がありました。
鶴を助けたのは妻を亡くした男で、後日女童を連れた美しい女性と夫婦になります。しかし、その土地の偉い人がこの噂を聞き付けて、女房を横恋慕しようとします。
男に無理な注文をして、「わざはひ」を連れて来るように言います。男が女房に相談した所、女房の父母の助けで「わざはひ」という牛ほどの大きさで角を生やした狼のような獣を得ます。
途中まではまるでワンコのように男に連れられてぽてぽて歩いている感じでしたのに、偉い人の邸に着いた途端に暴れ出し、その邸の犬と召し使い食べちゃうんです…!
その後、偉い人は流石に恐がって男と「わざはひ」には引き出物を与えて帰ってもらいます。
それからは色々あって鶴の女房は空に帰ってしまったりするような感じだったのですが、だいたい内容はこんな感じであったと思います。(間違っていたらすみません…。)
「鶴の草紙」で、私は特に「わざはひ」という存在が気になって仕方ありません。二系統ある「鶴の草紙」のうち、今回の展示では「わざはひ」が登場系統に属すものでした。
天に帰る鶴は羽衣伝説だとか竹取物語のような天女の話で似たような印象を受けますし、鶴と人間が夫婦になるといったような人間と他の動物が夫婦になるお話は蛤女房だとか、
今回の展示にもありました、「鼠の草子」(とにかく可愛いったです。メロメロです。しかし、姫が別れを告げて出ていった後の鼠の姿とその横に並ぶ姫の嫁入り道具が切なかったです…。
源氏物語の和歌を引用した歌を詠んでいたりしてこの鼠がかなりの教養持っている印象を受けました。)などにも見られました。しかし、この「わざはひ」という存在は悪にもつかず、善にもつかず…。
このお話では男に味方して、横恋慕しようとしている偉い人側をやっつけるわけですから善なのでしょうが、得体が知れないものであるなぁと感じました。まさに予測ができない所が、
「わざわい 災い」なのでしょうか…。
しぐれ絵巻
お伽草子展一緒に行く!と言ってくれた母がこの絵巻を前に驚いていました。私も見てびっくりしました。
…というのも、描かれている人物の目が、説明書きの言葉を借りるのであれば、少女漫画のような、ぱっちり二重まぶただったのです!
う…麗しい…。
今までの引目はどうしたの?今時は二重まぶたが流行りなの?そうなの?
と、一人妙な事を考えていたら横にいた母に、「あれ?!こんな所にお星さまあるよ…!」と示され、
ええ!まさか絵巻の中にお星さまなんて。正に少女漫画の効果ではないか!とあわてて見遣ると母がお星さま。と指摘したのは建物の金具のようでした…。
おお…。流石にね…。うん…。と、なったのですが、見ると確かにお星さまマークに見えます…。少女漫画みたいな人物の描かれ方と相まってなんだか可愛いと母と二人和んでました。
百鬼夜行
百鬼夜行もいくつかありまして、この展示に関連して物や動物に魂が宿っているお話も展示されていました。
(前回少しお話した「調度品歌合」もこのテーマに添ったものだと思います。)
中には発心した雀の話や捨てられた道具達が人間に仕返しをしようとする中で一人(一つ?)反対して出家した数珠(一蓮と名乗ることにしたそうです。
名前まであるなんて…!)が登場したりする話があり、往生を遂げることから、動物や物ですら、往生できるのですよ。と言ったメッセージが含まれているように感じました。
動物や物でも往生できるので人間はもちろん往生できるといった風に往生や修行のハードルを下げているのですかね?
中世、鎌倉仏教などの中では念仏唱えさえすれば大丈夫!だとか一遍さんの踊り念仏だとかの印象が強く、教養やお金が無くても往生できるよ!といった民衆への
普及活動が思い起こされまして、こういった絵巻もその活動に一役かっていたのかなぁと思いました。
あれ…どうしましょう。少しお話しようと思っていたのに、長くなってきました…。尻切れとんぼ…(涙)。
…とにかく!他にも興味深い作品が多く展示されていましたし、同じ題材のものでも複数の年代や巻を比較できて、なかなかのボリュームでした!
酒呑童子絵巻は特に多くの作品があったように感じました。人気だったのですかね。
また話が続いてしまいそうですので…
無理矢理まとめますと、今回の展示について、母が言っていたのですが、「作品の内容とかが、それといってわからなくても、こう言う絵巻って見ていると面白いし、何となくストーリーがわかるよね。」
この言葉を聞いて、思い起こされたのは1年生の時に受講していた「古典文学講義Ⅲ」での中世の絵巻の講義でのお話でした。
教養がなくても絵というツールを通して視覚による情報提供をはかっている部分が絵巻にはある事を知り、母の言葉で、それは当時の身分差だけでなく、
こうやって時代を隔てた人々にも同じように情報を提供する役割を果たしているのかもしれませんね。
そんな考えを持たせる展示でありました。楽しかったです!
それから、今月は 12月2日までで神奈川の博物館がテーマを同じくして北条氏(前北条氏←室町末期(戦国時代)に北条早雲を1代とした北条氏(後北条氏)と区別するために
ここでは「前」北条氏と呼ばせていただきます。)にまつわる展示を行っていたそうなのですが、こちらは行けませんでした…。残念です…。
私は姉と妹がいるのですが、姉は学校で展示に行ってきたそうで…羨ましいです…。
とにかく今は身の回りの事を片さないといけませんね!課題とか課題とか課題とか。←
今度そういった機会がある時に、気持ちよく展示や舞台を観に行くために頑張ります。
それでは、乱文にお付き合いありがとうございます。
本日はこれにて失礼いたします。
ありがとうございました。
みずの