こんばんは。かつーんです。
ここ数日は割と暖かいので、過ごしやすくて有り難いですね。
受験生の皆様も体調管理がしやすいのではないでしょうか。
もう本番を終えた方もいるでしょうが、これからの方も頑張って下さいね。
さて、今日は最近読んだ本、鴻巣友季子の『孕むことば』(中央公論新社 2012年5月25日)の中で、特に印象深かった話を2つ取り上げたいと思います。
1つ目は、子供の言い間違いについて。
子供に共通した言い間違いは色々ありますが、よく聞くものに、ひとつの語の中で音韻または音または音節が入れ替わったり、別のものが入ってきたりするパターンがあります。
具体例を挙げると、「鉄筋コンクリート」が「テッコンキンクリート」、「じゃがいも」が「がじゃいも」、「エレベーター」が「エベレーター」になってしまうというあれです。
他にも「たまご」が「たがも」、「テレビ」が「テベリ」、「ヘリコプター」が「ヘリポクター」になってしまうというのもあります。
前者は音節が、後者は音韻が入れ替わっています。
これらは英語の言語学で「マラプロピズム」、もっと細かく「スプーナリズム」に分類されるものだとか。
両親や叔母夫婦の話によると、私の弟も「エベレーター」とか「ヘリポクター」とかの言い間違いをしていました。
具体例に挙げたものは全国的に聞く言い間違いで、筆者の娘さんやご本人もそういった間違いをしたと述べています。
私も言い間違いをしていたそうですが、どうも全国的言い間違いとは異なっていた模様。
「おみず」を「おずみ」、「おリボン」を「おぼり」、「くつした」を「ちくした」などと言っていたと、叔母からよく聞かされました。
ネットで子供の面白い言い間違いを調べてみても、私のようなものは見つかりませんでした。
(まぁ、ざっと見ただけなので、もしかしたら見落としていただけかもしれませんが)
よく聞く言い間違いをしなかったなんて、随分捻くれた子供だったのかもしれませんね。うーむ。
2つ目は、ご存知の方も多いであろう、アンパンマンのマーチについて。
「愛と 勇気だけが ともだちさ」というフレーズから、「なんて寂しいヤツなんだ」と笑った方も少なくないのではないでしょうか。
(私も笑った一人です)
筆者はこのアニメの主題歌、つまりアンパンマンのマーチを初めて聞いた時、「内容が高尚なことにびっくりした」と述べています。
以下、歌詞の引用です。
『なにが君の しあわせ なにをして よろこぶ
わからないまま おわる そんなのは いやだ!
忘れないで 夢を こぼさないで 涙
だから 君は とぶんだ どこまでも
(中略)
ああ アンパンマン やさしい 君は
いけ! みんなの夢 まもるため』
「アンパンマンの歌は、まず「何をしたい?」と訊いてくれる。
それに幸せといっても、やみくもに「しあわせになろう」というのではなく、おのおの自分にとっての幸福は何であるか見きわめよ、そこがまずスタート地点だと言っている。
さらに、それが見つからずに終わるほどの不幸はない、と言っているようにも聞こえる。
好きなことさえ見つかれば、きっとアンパンマンがその夢を守ってくれるのだろう。
好きであることが大事。
自分にあった仕事にしよう。
優劣を競うな。
ナンバーワンよりオンリーワンを目指せ。(本文引用)」
筆者はアンパンマンのマーチについて、以上のように述べています。
私は今までにそういった解釈をしたことがなかったので、「こういう解釈が出来るのか」と目から鱗でした。
筆者のように考えると、「愛と 勇気だけが ともだちさ」のフレーズも、何だか意味深長な気がします。
たかがアニメの主題歌、されどアニメの主題歌ということでしょうか。
アンパンマン、侮り難し。
因みに、この歌詞は2番です。
放送開始以来2番の歌詞が採用されているそうで、1番の存在感が薄い気もしますが、1番も2番に劣らず良い歌詞だと私は思います。