先日、友人が賢治ゆかりの地、岩手県花巻市を訪れたということで、賢治の作品に拠ったオブジェや宮沢賢治記念館の写真を見せてもらったところ、私自身の宮沢賢治ブームも再来してしまいました(この短い文章に4回も「賢治」が!)。
いま青空文庫も駆使しながら彼の童話を読み漁っています。
わたしが初めて読んだ賢治の作品は、皆さんご存知『やまなし』でした。かぷかぷやらクラムボンやら、耳慣れない言葉が妙に印象的だったのですが、それにも増して
「クラムボンは死んだよ。」「クラムボンは殺されたよ。」「クラムボンは死んでしまったよ…………。」「殺されたよ。」「それならなぜ殺された。」「わからない。」
………、
………。
「クラムボンはわらったよ。」「わらった。」
という、畳みかけるような蟹の子たちの会話と、絶妙な“間”がなんだかシュールで、教科書に載っていた作品の中でエーミールの次くらいにすきでした!笑
で、小学3年生のとき、図書室の隅に廃棄処分する本として括られていた『宮沢賢治作品集』を見つけました。運命の出会いですね~。「もったいない!!」ということで早速先生にお願いして持ち帰り、そこでたっぷり賢治の童話を読みました。
かわいくてまぬけな童話が主なのですが、これが意外と残酷なお話も多くて、そしてやっぱりシュールで、小学校3~4年は本当に賢治にがっつりハマっていた気がします。『銀河鉄道の夜』に関しては、岩波文庫よりもくもん出版の絵本の方が好きで、もう胸いっぱいになりながら読んでいました。この絵本に使われている絵は、久石譲の『銀河鉄道の夜』イメージアルバムにも使用されています。とっっってもすてきです!!
そんなふうにして現在また読み漁っていますが、そうすると初読のときの思い出も同時にフラッシュバックして、どうも不思議な、複雑な気持ちになりますね。
それにしても宮崎駿も高畑勲も頻繁に「宮沢賢治」「イーハトーヴ」と言っているし(高畑さんに至っては『セロ弾きのゴーシュ』の中編アニメーションも作成しています)、小さいころ大好きだった『平成狸合戦ぽんぽこ』では「星めぐりの歌」が使われているし、最近ハマった「輪るピングドラム」というアニメーションでも『銀河鉄道の夜』がモチーフにされているし、宮沢賢治の影響力は計り知れないですね。いつか私も岩手県を訪れてみたいです。