ごきげんよう、さえです。
久々に晴れた日曜日を使って、我が家の近所にある「志賀直哉邸跡」に行ってまいりました。
とても近くに住んでいて、なおかつ志賀直哉の小説が昔から好きだったのにも関わらず様々な理由からずっと行けていなかったので、今回見に行くことができてとてもよかったです。
志賀直哉はご存知の通り白樺派の作家です。実家は東京なのですが、柳宗悦の誘いで我孫子に移住し、この地で数々の名作を生み出しました。武者小路実篤や陶芸家でもあり志賀とも交友を重ねたバーナード・リーチらも同時期に我孫子へ移住しているので、昔は我孫子もちょっとした文学村のような様相だったそうです。目の前に手賀沼も臨めて、都内から常磐線で約1時間のこの地は癒しを求める文豪、芸術家にとって丁度良い別荘地だったのかもしれません。
大きな道路の脇道を通り、石段を上がったところに「志賀直哉邸跡」はあります。大通りには大きなスーパーマーケットや電気屋さん、市民図書館などがあり人も車も活気にあふれていますが、脇道を抜けた「志賀直哉邸跡」付近には静かで心地よい雰囲気が漂っていました。とても暑い日だったのですが、木陰の効果もあり、涼しくて本当に良いところでしたよ😊
「跡地」ということなので、志賀が実際に使っていた家などは残っていません。ただ、資料を参考に後の人々が建てた志賀邸の書斎は見学することができます。
小屋のような大きさの建物に畳が敷き詰められ、トイレや床の間も完備されていました。流石文豪。書斎にはこだわりがあり、現在の金額でいうと1000万程で増築したのがこの建物だそうです。
再建されたのは書斎のみで、母屋は跡地しか残っていませんでした。
こんな感じでどの位の大きさの家だったかがわかります。奥には池もありザリガニがいました!(何年ぶりのザリガニだったでしょうか)
志賀が我孫子に滞在していた期間はけして長くはありませんが、この地で生み出された作品は志賀のその後の人生にとって転機ともいえるものばかりです。数々の名作が生まれた、まさにその場所(の近く)に住んでいることがとても嬉しく、また誇らしくも感じました。やはり我孫子は良いところですね。皆様も是非。