センター試験小説文の思い出

お盆で実家に帰省中のまなみです。

夏の今くらいの時期になると、高3の夏休みに闇雲にセンター試験の過去問を解いていたことを思い出します。

センター試験の小説の問題っていい話が多くて、好きでした。(解けるとは言っていない)

特に好きだったのが、2007年のセンター試験で使われた、堀江敏幸氏の「送り火」です。

山間に位置する、絹代さんの住む大きな家。
陽平さんがそこの二階を借りて、書道教室を開く。

センター試験に出題されたのは、陽平さんが絹代さんに書道でプロポーズする場面までです。
陽平さんが書き初めで「絹への道」と書き、「シル、ク、ロードです、これが、ぼくの、今年の、抱負です」とプロポーズしたシーンが印象に残っているという方も多いのではないでしょうか。

とても素敵な小説で、問題を解きながら非常に心が揺さぶられたので、問題を解き終わった後すぐ、全部読んでみることとしました。
結婚し、幸せな夫婦生活を送るであろう二人の今後をぜひ読みたいと思い、嬉々として図書館で借りてきました。

今思うと、「送り火」というタイトルが不穏だということに気づかず、幸せな二人の生活が描かれてると思った私はアホだったのかもしれません。

ネタバレになってしまうのでここで話は終わりにしますが、辛く悲しい終わり方でした。センター試験で使われた部分はちょうど幸せの絶頂のみを切り抜いたところでした。

読み終わった後一週間は落ち込みましたが、ただ幸せなだけじゃ文学にならないもんな…としみじみ感じたのを覚えています。

「送り火」はそのとき一度読んだきりですが、今読み返したら新しい発見があるかな…という気もするのでまた読んでみようと思います。