初めまして。あかねと申します。実は片足が悪いので、日本文学科ならではの「自主ゼミ」、合宿があるところは気が引けて入れませんでした。近代自主ゼミは旅行などもなく、自分自身近代文学に興味があったので入ったのですが……。
ゼミ活動として行って参りました。江戸川乱歩旧邸!
池袋のすぐ近くでした。駅中の階段さえクリアできれば、あとは何とか大丈夫でした。
まず驚いたのは、乱歩の引っ越し回数。旧邸が40歳の乱歩にとって45回目の引っ越しだったそうで、以降は死ぬまでそこに住んでいたとか。乱歩は今まで住んでいた家の見取り図を書き残しており、1、2歳の頃の家も人に聞いたのか残っているそうです。住んだことのある家をナンバリングして手書きの地図上に位置を記し、別紙に部屋が何畳だったのか、また、お手伝いさんまでナンバリングして書き残すメモ魔っぷり。もしかしたら家の見取り図を眺めながらトリックを練っていたのだろうかと妄想も膨らみます。ちなみに乱歩はトリックのノートやあらすじのノートも作っていて、乱歩邸に入ってすぐの建物入り口で一部を閲覧できました!
今回は予約を取り、交渉の結果特別に土蔵内も見学致しました!ここでは乱歩の蒐集癖がうかがい知れました。
1階には外国文学と自身の著書、そして参考文献。外国文学は著者名でABC順に並べ、本の背に「L」や「Q」といった著者名の頭文字シール(乱歩お手製)を貼っていました。異常心理や男色などの本もありましたが、女性学の本たちに混じって将棋の本が置いてあったのは未だに解せません。
手すりに掴まって急な階段を上った2階には『御伽草子』などの古典作品と、保管用著書箱がありました。乱歩はわざわざ箱を作らせ、一冊一冊を入れていました。箱の表には中身の題をレタリングして手書きで記し、保管用の著書を入れた箱にも、中に入れた本の題すべてを紙に書いて貼り付けていました。しかも、保管用の箱の後ろにはもう一つ保管用の箱があり、その中にも同じ本を入れていました。よく「観賞用、保管用、使う用として何個か買う」という言葉を聞きますが、乱歩がしているのはまさにそれだったようです。勿論、箱に題をレタリングなどというのも時間がなかったでしょうに、テスト前に掃除を始める感覚でやってしまっていたんでしょう……。
最後に1つ。乱歩は購入した本を、日付と金額までメモしていました。あまり本は買いませんが、私も買った時はメモして70年後などに見直してみたいですね!
特に自己紹介らしきものもありませんでしたが、乱歩邸をお勧めできたので良かったです。興味のある方はぜひ、春休みの機会を利用して訪ねてみてください!入館は無料ですよ!
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。