こんにちは、ゆりかです。
今回は紫式部が作ったとされる源氏物語について語っていきたいと思います。
というと、中世の物語は中古に作られた源氏物語が基礎になっているからです。
もっと言えば、源氏物語以降の全ての物語の基本になっているのが、日本最古の長編小説・源氏物語なのです。
そして、今、ゼミで私の担当範囲として扱った、源氏物語の登場人物の一人・女三の宮に興味があります。
女三の宮の降嫁は、六条院の根底を揺るがし、光源氏の世界はしだいに崩れていきます。
ある本を読んで思ったのですが、女三の宮もといそれ以降の登場人物は、
落葉の宮、夕霧、大君、中君、浮舟、薫、匂宮などがいますが、
これらの人物は源氏物語における光源氏の罪を明らかにしているのではないでしょうか?
その皮切りとなるのが、女三の宮であるのではないかという気がします。
女三の宮が六条院入りする際、光源氏は自ら出迎え、牛車から下ろします。
それによって、いかに准太上天皇といえども、”光源氏が臣下の者に過ぎないこと”を明らかにしてしまいます。
そして、もう一つ、
女三の宮が光源氏の正妻として六条院の春の町の寝殿に迎えられ、それにともなって、紫の上は東の対屋に移らなくてはなりませんでした。
これによって、今まで目をそらしていた”紫の上は光源氏の正妻ではない”という事実を突きつけられるのです。
最後に女三の宮と柏木の密通と六条御息所の怨霊は、
光源氏が天皇の后である藤壺と交わり、罪の子をもうける、という禁忌を犯したこと、
光源氏が藤壺の形代を求めて、いかに女性たちを傷つけてきたのかということを明るみに出しているのではないでしょうか。
また、女三宮と柏木に対する光源氏の冷酷な態度は、これまである種神格化されてきた光源氏の王者の仮面を負の感情が食い破り、生身の光源氏の姿を浮き彫りにしている。
また、光源氏は形代としての女性たちを本当に愛していたのかという問題提議がなされているように思いました。
ここまで読んで、本の内容が気になった方。ぜひ、坂本清恵先生の推薦図書をチェックしてみてください。
これぞ、”言わない美学”(笑)
では、最近、冷え込んできましたので、お体に気をつけてお過ごし下さい。