こんばんは。しおりです。
気が付けば11月になりました。今年も残すところあと2ヶ月。1年って本当にあっという間ですね。
今日は…国文学会委員の私から、国語国文学会・秋季大会(12月1日!)のお知らせをしたいと思います!!!
今年は第二部の講演会に河添房江先生がいらっしゃいます。河添先生は中古文学がご専門で『源氏物語』に関する書籍を多く執筆されており、近年では古典文学におけるアクティブ・ラーニングやICT機器活動にも取り組んでいらっしゃいます。当日は「『源氏物語』とアクティブ・ラーニング」という演題でお話をしてくださるとのことです!
「アクティブ・ラーニング」には私自身非常に強い関心があります。教職を履修しているので以前から耳にしていた言葉ではありますが、実際に模擬授業などで実践しようとすると、これが本当に難しいのです。ここで少しばかり、私自身の苦い思い出をお話させてください。
それは、今年の前期の「教育工学」という授業の中でのことでした。この授業において、私は初めて学習指導案というものを作成しました。グループワークでしたので皆で授業内容を話し合い、その結果『竹取物語』の「かぐや姫の昇天」を扱うことに決定しました。「教育工学」という科目の性質上、電子機器(パワーポイントや電子黒板)をできる限り使用することが条件であったため、インターネットで確認できる『竹取物語』の絵巻を授業中に幾つか見せることにし、生徒たちにも「かぐや姫の昇天」の場面を絵に描かせようと考えました。視覚的な情報を提示すれば、生徒はきっと興味関心を抱いてくれるに違いない。「物語を絵巻物の形で享受し、自らも作品世界を絵画化する。これぞアクティブ・ラーニングだ!」と意気込み授業に臨んだわけです。
終了後、担当の先生からは大変面白い授業であったとのコメントをいただきました。古典に対するアプローチの方法として新しいものであったとの感想は非常に嬉しいものでした。しかしながら、同時に言われたこの言葉が私にとって忘れられないものとなったのです。
「授業と発表会は違いますよね」
ぐさりと胸に突き刺さる言葉でした。自分たちの授業は自己満足に終わっていたのではないか。生徒の気持ちに本当に寄り添った授業であったのか。絵巻物を見せて、絵画化させて、新しさばかりを求めて何か大切なことを忘れていたのではなかったか。頭のなかに次から次へと様々な疑問が浮かびました。「主体的・対話的で深い学び」。主体的って何だろう。対話的って何だろう。深い学びってどういうことなのだろう。言葉で言うほど簡単な問題ではないと思いました。そして、私にはアクティブ・ラーニングの定義がわからなくなったのです。
つい先日も「国語科教育法」という授業の中で模擬授業を行うことがありました。今度は1人で担当し、私は、芥川龍之介の『杜子春』を対象作品として選びました。掲載雑誌「赤い鳥」の説明もしたい、教科書には敢えて初出稿を用いたいと、思い付く限りの工夫をしました。しかし、工夫をすればするほど、本当にそれで生徒の関心を引くことができるのかという不安が頭をよぎるのです。自己満足になっていないか、自分の考えた理想的な授業の「発表」になっていないか。模擬授業を終えてもなおその不安は消えません。
今回の秋季大会は私にとって本当に貴重な機会であると感じています。そしてそれは、私だけでなく全ての教職履修者にとって貴重なものとなることでしょう。気を引き締めて、秋季大会に臨みたいと思います。
12月1日(土)15時30分から(受付15時から)、八十年館851教室。
ぜひお友達を誘って皆さんでお越しください!!!
詳細は日本文学科Facebookをご覧ください!
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