「シャイニング」について

こんにちは!はるなです。

どんよりとした曇りの日が続きますね。いつまで梅雨は続くのでしょうか。
7月も中旬に入ったのに肌寒い日が続き、出かける気もなかなか起きません。今年はこのまま冷夏になるのでしょうか。課題のレポートと共に気分をどよ~ん、とさせてきます。
なかなか出かける気にもなれないので休日はもっぱら家で映画鑑賞しています。そこで今回はその感想を書きたいと思います。

皆さんは映画『シャイニング』を見たことはありますか?名作ホラー映画として世界的に名高いですよね。(2020年には30年後を舞台にした続編『ドクター・スリープ (原題)』も全米公開されるみたいですね)
あらすじは

小説家志望のジャック・トランスは、雪深く冬期には閉鎖されるホテルへ、管理人とし
ての職を求め家族を引き連れ訪れた。 支配人は、「このホテルは以前の管理人が、孤独に心を蝕まれたあげく家族を斧で惨殺し、自殺したといういわく付きの物件だ」と語るが、ジャックは気にも留めず、妻のウェンディ、一人息子のダニーと共に住み込むことを決める。ダニーは不思議な能力「シャイニング」を持つ少年であり、この場所で様々な超常現象を目撃する。

ホテル閉鎖の日、料理長であるハロランはダニーとウェンディを伴って、ホテルの中を
案内する。自身も「シャイニング」の能力を持つハロランは、ダニーが自分と同じ力を持つことに気付き、「何かがこのホテルに存在する」と彼に語る。そして、猛吹雪により外界と隔離されたオーバールック・ホテルで、3人だけの生活が始まる。ホテルが持つ”怪異”で徐々に精神を病んだジャックは謎の存在に命じられるまま妻と息子を手に掛けようとするが息子ダニーの機転によって、その目的は頓挫した。ホテルの記憶の一部となったジャックが写真の中で微笑む。           (参考:Wikipedia)

といった感じです。

見てて思ったのですが、この映画は映像としてはホラーではあるけれどストーリー的にはそこまでホラーではないなぁと感じました。聞いたところによると『シャイニング』はある数学者が統計学的に分析して「完璧な恐怖映画」と結論づけたという逸話もあるらしいです。確かにエレベーターから大量に流れ出る血液、シンメトリーすぎる廊下、そして可愛いはずなのに不気味な双子、そして耳につく不快な音。なんだかわからないけれども鑑賞中は終始不可思議で不気味な気分にさらされていました。
しかし、ストーリーはダニーの超能力「シャイニング」もあまりストーリー展開に関わってこず、ジャックが狂った理由が怪奇現象によるものだということも説明がないため、孤独と仕事によるストレスに耐えられなくなり狂ったように見えてしまい、あまりホラー味が感じられませんでした。バスルームの美女の化け物も結局正体は分からずじまい。正直なところ前評判を見聞きして想像していたよりもホラー映画としては怖くなかったです。勿論主演のジャック・ニコルソンの怪演が凄まじく、人間って演技でこんなに狂えるものなのか……と恐怖を感じたりはしました。あと妻役のシェリー・デュヴァルの醸し出すオーラもとても怖い。しかし、これらも視覚のはなしですからストーリーとは少し違いますかね。

さて、まとめますと『シャイニング』は映像としては確かに不可思議で恐怖感を煽るものではあるけれど、ストーリー的にはそうでもないという感想です。
むしろ「DV」を描いている映画なんじゃないかな、と感じます。仕事が上手くいかない苛立ちを全て妻と子供の仕業だと思い込み、道理の通らない理屈によってその二人を排除することを正当化する。もちろんこれが「DV」の全てではないでしょうが、典型的なパターンの様に思えてきます。このように考えるとあのホテルでの怪異現象はジャックの心底の悪意の反映だったのではないか、などと様々に解釈が浮かんできます。
この映画を見て私は井原西鶴の『西鶴諸国はなし』の序にある「人はばけもの世にない物はなし」という言葉を思い出しました。古今東西、結局は「人間が一番怖い」ということですね。

という結論を出したところで、今回はここまで!はるなでした~。