サマースクールとガトーショコラ

こんばんは。しおりです。

毎日暑い日が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。まるでお風呂の中にいるような湿度に、私はそろそろぐったりとしてきています。これからの夏は毎年こんな感じなのでしょうか。とにかく体調を崩さないようにするのに必死です。

そんなぐったりする毎日ですが、今日はとても楽しいことがありました。

それは、附属生用のサマースクール。

暑い中、附属中高生たちがはるばる目白までやって来てくれました。演習授業の再現をするとのことで、私はその発表を担当しましたが、中高生を前に発表するのはいつもと雰囲気が大きく違ってとても緊張するものでした。どのように話せば中高生にわかりやすいのか、大学生が当たり前のように使っている言葉、「初出稿」「最終稿」「先行研究」「雑誌」などはどのように説明すればいいか。色々なことをお話したくなってしまって、所用時間を大幅に超過してしまいました。大学生のサポートメンバーと先生に沢山助けていただいたことにより、どうにか予定していたディスカッションまで辿り着くことができました。本当にありがとうございました。

サマースクールを終えて感じたのは、自らの思いを聞き手に伝えることの難しさです。

自分自身が話したいことと、参加者が求めていることが一致するとは限りません。「中高生用」などという気遣いはいらないから、本当に大学で行われている授業を体験したいという人もいるでしょうし、一方では、とにかくわかりやすく話してほしいという人もいるでしょう。参加者が何を求めているのか、それによって発表する側もその内容を大きく変える必要があると感じます。今回は、私自身が卒業論文で扱う作家の短編小説を、演習授業で扱う時と同じ形で発表しましたが、果たしてそれでよかったのか、今更になって不安に感じているところがあります。日文の魅力を伝えることができたのか、作品と向き合うことの面白さを伝えることができたのか。考えれば考えるほど、自己満足で終わってしまっていないかという不安が自らの中に湧き出てくるのです。

発表者が楽しくても、面白いと思っていても、その押し売りでは聞いている側としては楽しくない。その人が楽しそうにしていることはわかっても、だからと言って共感できるとは限らない。これは非常に難しい問題であると感じます。しかし、まるで模擬授業をするように、大学での学びを解説していくというのも何だか違う気がするのです。できることならば、解説する時間と演習授業の再現をする時間で2時間分ほしい…。全てを終えた今、そんなことを考えてしまいます。

不安や後悔も沢山ありますが、今回のサマースクールで少しでも日文の魅力を伝えることができていたら幸いです。参加してくれた方々が、未来の日文生になってくれたのならばこれほど嬉しいことはありません。今回の経験は私自身にとっても非常に勉強になりました。聞き手にどのように伝えるか、これは今後の私の大きな課題であると感じます。そしてまた、自らも6年間通ってきた附属中高の現役生とお話しできた時間は本当に楽しいものでした。素敵な時間をありがとうございました。

最後に…

サマースクール終了後に食べたケーキの写真を載せたいと思います…!

無題

 

本当においしくて、暑さも疲れも吹き飛んでしまいました!そして何より、ケーキの周りにおしゃれなデコレーションまでしてあることに大変感動しました。やはりこれが何の飾りもなく茶色いガトーショコラだけですと、食べる側の気持ちも変ってくるものですよね。食べたいと思わせる工夫、これはおいしいに違いないとひきつけられる何か。どこにチョコレートソースを垂らして、どこにバナナを置いて、どこに生チョコをトッピングするか。全てが考え尽くされているケーキを見て、発表もきっと同じことであったのだと感じました。何をどのように提示するか、同じ内容でも提示の仕方によって変わってくるものです。ケーキからも学ぶ一日、何だか本当に充実した幸せな一日でした。

皆さま、暑さに負けないように8月を乗り切りましょう!
素敵な夏休みをお送りください、それでは、また。