書店アルバイトの「本」音

皆さんこんにちは。如何お過ごしでしょうか、えぬです。もう4月も半ばを過ぎてしまいましたね…緊急事態宣言が全国に出されてから1週間以上が経ちます。皆さんにお変わりは無いでしょうか。

不安定な情勢に加えて自由に動けない状態が続く今日、本年度新入生の方は右も左も分からないことだらけで不安に感じている事でしょう。ここ最近バイトも休業、就職活動も軒並み延期やウェブ上で行われる事が増え、すっかり外へ出なくなってしまいました。おまけに前期の授業も全てオンラインですし、今年の夏は日焼けしなくて済むかもしれないですねえ…脱ゴリラ肌は回避出来るでしょうか。

 

さて、皆さんは持て余している時間を何に使っていますか?資格取得の勉強でしょうか、お菓子作りや料理の腕を極める、楽器を始める、断捨離や掃除、あ〇森で街をつくり住人を増やし株で儲ける…いろいろな過ごし方をされていると思います。では皆さん読書は如何でしょう、最近本を読んでいますか?この休みの間に知識量をジャンジャン増やしたくないですか?でも本屋さんも軒並み休業で買いに行けない、電子で読んでいるという方もいらっしゃると思います。そんな方々に是非、聞いていただきたい。ここからはイチ書店アルバイトからのお話です。

そもそも書店の赤字は、「売れない」事に加えて万引きによる被害額や出版社に戻される返品の冊数が、ダメージを受けやすいと言われています。それを書店と出版社を繋ぐ流通事業取主である出版取次会社が間に入る事で、この返品の数を減らし利益を保っています(※)。つまり書店が抱えている書籍などの在庫管理を全て行っているのがこの取次です。皆さんは書店に行ってもお目当ての書籍が無かった場合、取り寄せをお願いした経験はありませんか?注文の際にまず書店が発注を掛けるのは、実は出版社ではなくこの取次です。取次にも商品が在庫切れの場合、最終手段が出版社となります。この取次を介する事で、書店は早くて2,3日でお客様に書籍を届ける事が出来ています。このスピードこそが、今の出版不況を支える仕組みとなっていると私は感じています。(※しかし出版社と書店によっては取次を介さない直接取引を行っているケースもあります。)

さてこのコロナ騒ぎで予想しなかったことは、休校措置と自粛要請などで2月後半から3月にかけての書籍や参考書などの売り上げが伸びた事です。そして自宅待機になっている子供や親御さんを楽しませたいと、各出版社が持つコンテンツを無料で公開・閲覧可能にしたことにより、益々売上が伸びています。しかしそれも緊急事態宣言が出れば書店も閉めざるを得ません。現在全国で閉店している書店数は約67%、このままだと出版不況と呼ばれる昨今に益々の影響が出かねないと感じています。そこで「本を買いたいけど、本屋さんやってないし」と某密林配達サービスやフリマアプリを利用するのではなく、”書店と出版社と作家を守る事が出来”、”電子も紙媒体でも読みたい人”にもオススメな方法を試してみませんか。

そのサービスはオンライン書店型宅配ネットサービスです。つまりウェブで購入可能な書店サイトですね。現在この自粛要請に伴い送料無料といったお得サービスを行う書店もあるようです。大型書店を取り扱う種類としては、

全国書店ネットワークe-hon】【HonyaClub】【紀伊国屋書店ウェブストア】【丸善ジュンク堂honto】

が挙げられます。それ以外にもセブンイレブンが行う書店サービス「セブンネット」や「リブレ通販」といった出版社と直接購入で来るネットサービスもあります。

 

私は本が大好きです、本屋が好きです。だから4年間辞めることなく書店のアルバイトを続けられています。書店・出版社・取次に利益が循環するそんなサービスを利用することで、本屋という大切な場と大好きな作家さんや作品を一緒に守っていけるのなら、このサービスは何倍もの価値があると感じます。最近は書店も出版社も取次も「紙媒体」というものの拘りは薄れつつあります。電子書籍も紙媒体も形に関係なく、出版されるもの総てを扱うのが3者の役割です。電子でも紙でもどんな形でも後世に残していきたい、その為にはきちんと利潤が還元される世の中でなくてはいけない。あなたが有している時間に読書の時間を割くことで、自分の成長と一緒に本の未来を救うことも出来るのです。通販で物を買うのならきちんと利益が回る役立つものに投資してみませんか。

長くなりましたが、街から消えつつある書店を救いたい一心で書いてみました。少しでも伝わったら嬉しいです。それでは今回はこの辺で。えぬでした~~~~~!