暑さが厳しいこの季節。皆さま、お変わりなくお過ごしでしょうか。
お久しぶりです、しおりです。本日も大正時代からお送りいたします。先日のブログでは、コロナを避けたところが流行性感冒にぶつかり、何とも現実から離れることは難しいと痛感したわけでありますが、どうやら今回はうまくいったようです。
到着したのは大正4年7月15日の浅草。今でも浅草は外国人観光客などに人気の場所ですが、大正時代の浅草は「歓楽の王国」と称されるほど。大変な賑わいを見せています。まず向かったのは上野動物園。どうやらこの日はお昼までに1500人が訪れていたようです。とは言え、105年後の舞浜の夢の国の来場者数は3~7万人ですから、それほど混んでいるようには思わなかったですね。残念なのはお目当てのペンギンが死んでしまったこと…。新呼物として大人気だった「ペンギン君」、とても残念です。ただ、花屋敷には「ペンギン君」のお友達のペンギンがいるようで、この子には会えずじまいでしたが、とっても愛嬌のある子なんですって。今度はこの子に会いに行きたいと思います。
動物園の次に向かったのは凌雲閣。浅草を訪れた目的は何と言ってもこれです。12階建ての展望塔で赤煉瓦がとても美しい。52メートルの高さだそうで、だいたいシンデレラ城(東京のは51メートル)くらい。スカイツリーと比べてしまうとそれは低い気がしますが、周囲に高い建物がありませんから、あの独特な八角形のデザインを前にすると圧倒されます。そして、何よりも驚いたのはエレベーターが付いていること!大正時代の電動式エレベーター、何だかわくわくしますが多少は怖さもありますね。塔からの眺めはいつまで見ていても飽きません。現代の感覚では少し低めなこともあって、下を歩いている人の服装まではっきりと見えるのです。高層ビルから街全体を見渡すのも面白いですが、少し高いところからじっくり観察するのもなかなか興味深い。ただ、実はこの辺はあまり治安が良い所ではないので、太陽がさんさんと降り注ぐ昼間がおすすめです…。
けれどやっぱり、大正時代とはいえ夏の暑さは同じです。気温はだいたい32℃くらいだったでしょうか。氷屋に沢山の人がなだれ込んでいました。氷じるこや金時が人気みたいですが、アイスクリームもあるようです(氷じるこって初めて聞きましたが、汁粉の上に削り氷をかけたものらしいです。とってもおいしそう。令和に戻った時には一度やってみようと思います)。冷たいものを食べて暑さを凌ぐのはいつの時代も変わりません。
それにしても何だか小さな子供と若い人が多いなと思っていましたが、どうやら今日は藪入デーだったようです。住み込みで奉公している子供や女中さんの休日。滅多にないお休みということで沢山の人が遊びに来ていたようでした。
105年後のお盆は帰省もままならない状況にありますが、全てが落着いた時には大正時代の藪入りのように沢山の人が街にあふれて賑わいそうですね。今日の浅草の様子は『読売新聞』(1915年7月16日朝刊5頁)に掲載されているので、興味のある方はご覧ください。まだまだ大正現地報告は続きますが、最近、自宅に残してきたカメからブログを書かせろとの催促が来ているので、もしかすると次回は久しぶりの令和からのブログになるかもしれません。
それでは、また。