江戸東京たてもの園

こんにちは、あかねです。先週、友人と江戸東京たてもの園に行ってきました。
まずは東ゾーンへ。乾物屋や荒物屋、生花店といった昭和初期の建物を見て回りました。耐火性を高めるためにタイルが貼られており、軒先も道へ張り出さない「看板建築」です。それでも洒落た心は忘れない江戸の人々は流石なもので、店の看板の上には四季を象徴した花が4つデザインされていました。

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荒物屋の鍋。よく見ると蒸し器も売られていたことが分かります。
他にも、明治初期に創業した建物があったので入ってみました。文具店の武井三省堂(さんしょうどう)に入って硯や墨を眺めたり、仕立て屋で吊るされた着物を見たり。
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大正期は小寺醤油店という店が始まったそうで、昭和25年以降の食卓で使用されている調味料の変遷のグラフがありました。醤油の使用量がとても多く驚きましたが、毎日の食生活を振り返ると納得します。安政3年から続く「鍵屋」という居酒屋は昭和45年の時の姿で復元されていました。現在でも広く知られているビール瓶や、皆さんが人生で一度は使っているであろうソースも、昔は瓶だったようで、置いてありました。歴史は連綿と続いていっているのだと感じました。
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続いてセンターゾーンへ。大正期に旧宇和島藩伊達家が建てた門もありました。家ばかりだと思っていたので、門まで展示されているのは意外でした。同時に、江戸時代のものだと予想した門が大正期にできた門だったことも意外でした。明治大正期は和洋折衷な文化が花開いた時期ですが、そのような時代だからこそ、奥ゆかしく格調高い和風の門は威厳たっぷりに感じられました。
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その後で入った高橋是清邸は、とてつもなく広かったです。様々な広さの和室があり、しかしどれも異なる内装をしています。以前明治村に行った際も西園寺さんの家を見学しましたが、それよりも恐らく広かったです。中には明治時代からそのまま使われ続けているガラス戸もあり、現代まで残してきた色んな人たちの努力に思いを馳せました。
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最後に、旧自証院霊屋(おたまや)を横目に西ゾーンへ。江戸時代から続く格式高い農家の家や民家、写真場等を見て回りました。私は片足が悪く、この頃には両足とも疲れてきてしまっていたのですが、エレベーターがついていたことで二階まで見ることができました。ありがたかったです。西ゾーンで最も感動したのは三井八郎右衛門邸(みついはちろうえもんてい)です。財閥の家は高橋是清邸と同じくらい広かったのですが、金箔を惜しみなく使うことでより豪華な雰囲気になっていました。洋間もあり、暮らしの中に西洋が入ってきていたのだと分かります。
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華やかな中にも教養が試されるような襖絵等があり、凄かったです。この写真では光が反射してしまっていますが、左に置かれている時計も緻密なデザインでした。
全部で3時間程度の滞在だったと思います。それでも見ごたえのある建物ばかりで、やがては私のいる時代も、こうして保存され受け継がれることになるのだろうと思うと不思議な気分になりました。また、このような営みが現在の暮らしに繋がっているのだろうと考え、伝統として後世まで残っていくと良いなと思いました。
学生は320円です。皆さんも、明治から昭和にかけて、かつての生活を垣間見てみてはいかがでしょうか。以上あかねでした。次回は「正倉院展前期・後期」です!