落語『らくだ』

こんにちは。はるなです。

気がつけば12月もあと1週間と少しにまで迫ってきましたね。いったいいつ本格的なコートを出すべきなのか。悩んでいます。ダウンはまだ早いし、かと言って薄いのではもう寒くてたまらない!!あー、新しい服が欲しーなー!!

 

さて、12月の第一週にゼミで卒論のテーマについての発表があるもので、最近の私の頭の中は落語一色です。

今回はそのなかでも『らくだ』という演目について!!この演目の特徴は、メインの人物が既に死んでしまっているということ。

 

名前を「馬」、「らくだ」とあだ名されている乱暴者の死をきっかけに物語は進みます。このらくだ、家賃は払わないし、屑屋には金にならないガラクタばかり売りつける等、相当なクズ男だったため、死んでも悲しまれずにむしろ喜ばれる。しかも、彼の為に葬式を開こうとした兄弟分は屑屋を脅して酒や食べ物、棺桶の代わりの樽を用意させるが、屑屋は酒乱。酒を飲んだ後は逆に脅しはじめ、強引に死体を樽に押し込み(ここは噺家によってはけっこう凄惨な場面になっています)、運び出す。がしかし、酔っ払っているため樽の底が抜け死体を落としたことに気が付かず火葬場近くまで行ってしまう。そして兄弟分と屑屋は、そこらへんで寝ていた酔っ払いの坊主を、樽から落ちた死体だと思い火に放り込む。

いくら酔っぱらいでも火が点けば「あちち!ここは何処だ」、「ヒヤ(火屋)だ」。「ヒヤ(冷や)でもイイから、もう一杯」。

 

あまりにも強引なやり取り(兄弟分は金がないため人を脅して葬式の準備をさせる)、しかし酒が入ったらあっという間に立場は逆転。そして、酒で酔った二人が酔っ払いを殺しかけ、焼けかけた坊主も呑気に「ヒヤ(冷や)でもイイから、もう一杯」。どんだけ酒好きなのよ!!三者ともお酒飲みすぎ!酒に飲まれちゃってる!!

以上の点から見ますと、『らくだ』は庶民が主役となり、俗な文学が好まれた、江戸時代の風俗がよく現れている演目だと言えるのではないでしょうか。

それにしてもこの演目に限らず落語は文字化すると面白さが半減しちゃいますね……。
うーん残念。

 

因みに、『守貞漫稿』によると「文政五年西域より雌雄の駱駄を貢し三都にて観物にす」とあり、近世期にらくだが渡来していたことが分かります。

さらに『日本国語大辞典』によると「見世物とされた駱駝の状態が図体が大きくのんびりしているようなので、ただ食べているだけの無用の人間を「楽だ」とかけてひやかすことがあり、(4)の意味で使われるようにもなった。」((4)の意:江戸時代、形ばかり大きくて品質の劣るもの。)とのこと。やはり時代背景、言葉の意味を理解してから聞くとより面白さは増しますね。

 

そもそも、江戸時代にらくだが見世物として連れてこられた、という事実に驚きです。背中に乗ったことあるから分かるのですが、見た目の迫力以上に背が高いし大きい。マジ、乗ったときはびびってました。海を超えて運んでくるなんて、とんでもない労力だったでしょうに、よくやりましたよね。

 

今回はここまで~。はるなでした!