ドイツ旅行②

こんにちは、みのりです。

冬休みを利用してドイツ旅行に行ってきました!(この話題2回目)

前回字数を気にしてヘッセ関係のことを書かなかったので、今回載せちゃおうと思います!

大本命と豪語していた割に、2週間近くの滞在でヘッセに関係ある場所を回ったのは2日間でした。実はヘッセくん、ドイツ生まれ&学校がドイツにあるくらいで、あとはどんどん南下してスイスとの国境あたりやらスイスやらに住んだりしているので、行ける範囲だとそこまで見るところが多くなかったんです!!!!

スイスにも行けたら良かったのですが、冬のスイスで凍え死ぬのでは問題(怯えすぎ)、急に通貨変わる問題(準備面倒くさがり)、物価高すぎ問題(仕方なし)などなどで断念したのでした。夏の爽やかな時にリベンジしたいな!ハイジごっこしたいです。

スイス断念によりドイツ内の行きやすい聖地巡礼に臨んだところ、①生まれた町、②入学試験を受けた街、③通った神学校、④バイトしていた本屋さんという4箇所を訪れることになりました。

そしてそして、④の本屋さん以外の3つは、小説『車輪の下』に登場する舞台でもあります。

というか、『車輪の下』自体がヘッセの自叙的小説なので重なるのは当たり前なのですが、気持ち的には作中の聖地と作者ゆかりの地両方見れて一石二鳥!

簡単にご説明しますと、

生まれた町:カルフ

南ドイツのシュヴァルツヴァルトという大きくて黒々とした森の中にある小さな田舎町。ヘッセも主人公もこの小さな町を気に入っていて、すごく理想的に描かれています。

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冒頭の町の描写

「市のたつ広場では二つの大きな噴水が音を立てながらきらきらと光っていた。不規則な屋なみの線の上に、近くの青黒いモミの山がのぞきこんでいた。」

入学後実家に戻った際の記述

「青く黒ずんだモミの山が現れて来たとき、はじめて少年は救われた様な喜悦の情に襲われた。」(『車輪の下』より)

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ヘッセファンでもなければ来ないような片田舎ですが、ヘッセの生家や洗礼を受けた教会、主人公の家やヘッセ博物館など胸熱のスポットが狭い範囲に集まってくれていてすっっごく幸せになれます。

森は黒くても暗く湿っぽいというわけではなく、夏になると避暑地として盛り上がるみたいです。爽やかな場所でした、、!

入学試験を受けた街:シュトゥットガルト

入学試験の会場となった大きな街。

ベンツの本社があるなど、今も大きな建物やショッピング街のあるTHE・都会!な街でした。

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「見慣れない顔や、人を見おろしているように高い、ごてごてと飾りたてられた建物や、げっそりするような長い道や、馬車鉄道や、往来のそうぞうしさが、彼をおびえさし、苦痛を与えた。」(『車輪の下』より)

散々な言い様

私は都会より旧市街など昔の街並みを見る方が好みだったのですが、滞在中街並み観光が多かったせいで珍しく行った都会が新鮮でした!

通った神学校:マウルブロン修道院

世界遺産でもある修道院で、この中にヘッセの通っていた神学校が併設されています。

『車輪の下』を読むと分かるのですが、ヘッセも主人公も、せっかく頑張って勉強して入学したこの学校を、結構早いうちに退学してしまいます。本だけ見ると辛そうな場所ですが、観光で見れば最高に美しい、まさにパラダイスでした。

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「州の西北のはずれ、森の丘と静かな小さいいくつかの湖のあいだに、シトー教団のマウルブロン大修道院がある。広い美しい古い建物がしっかりとよく保存されていて、内部も外観もみごとなので、住んでみたいような気を起こさせるであろう。建物は数百年のあいだに、おちついて美しい緑の周囲と、高雅にしっくりと溶けあっている。

修道院を訪ねるものは、高いへいのあいだに開いている絵のような門を通って、広いしんとした庭に入る。そこに噴水が水をふいている。また、古い厳粛な木が立っている。両側に石造のがっしりした家がある。奥には大きな本堂の正面があり、その後期ロマネスクふうの玄関は、比類のない優雅な愛すべき美しさをもっており、パラダイスと呼ばれている。

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「よく保存されている回廊はそれ自体美しい建物であるが、その一部にある、見事な噴水付き礼拝堂はさながら一個の珠玉である。」

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「広い前庭はがらんとしていて静かで、まどろみながら、木立の影をもてあそんでいる。昼過ぎの一時間のあいだだけ、ちょっと活気らしいものが現れる。その時刻には若い生徒たちの一群が修道院の中から出て来て、広い庭に散らばり、わずかながら人の動きや呼び声や話し声や笑い声が起きる。」(『車輪の下』より)

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流石世界遺産、今回観光した中でどこを1番勧めたいかと聞かれたら迷いなくここです。アクセスが少し面倒なため観光客も少なく、ゆっくり堪能できました!耽美の世界、ですよ

バイトしていた本屋さん:テュービンゲン

ここは『車輪の下』には登場しませんが、ヘッセ本人がマウルブロン退学後に働いていた本屋さんがあります。当時のままではないものの、今も博物館のような形で見学可能だそうです。私が行った時はお店が閉まっていて、中は見学出来ませんでした残念!!

シュヴァルツヴァルトにある町の一つでありながら、今も大学のある街ということで若い活気と落ち着いた生活感に満たされていて、少し周っただけで過ごしやすい町という雰囲気が伝わってきました。言うなれば吉祥寺・三鷹あたりの心地よさ。観光地としては有名ではないものの、ドイツ人の思う住みたい町ランキング上位の土地らしいです!そりゃ良い町なわけだ〜〜!

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観光目的の旅行だと自分の不出来に迷惑被るのは自分だけで、すごく気楽で楽しいことばっかりでした!

とはいえ壊滅的に英語が出来なかったせいで精神になかなかの大ダメージです。「旅の恥はかき捨て」と言うけれど、そう言わないとやってられない人が考えた言葉だろという心情。

英語はやった方が良いんだろうな〜と思いつつズルズルやらないまま、もう学生の身分が残り僅か1月後半から内定先の就業前研修が始まったのですが、そこでの配属がチラホラ海外の方と接点のある場所なため、日本に帰ってからも英語力の低さという現実を突きつけられています。

いやほんとどっかでちゃんとやるべき!やるべき!や、やりたくないな〜〜〜!!(本音)でも頑張れたらいいな〜!!

何故春休みのうちから働かねばならんのだ??と思わないこともないですが、研修もなかなか楽しいです。忙しいし疲れますが、残りの学生生活を楽しみつつ、精神面での社会人になる準備を進めようと思います。旅行楽しかったから頑張って働ける、働いたらお金が貰える、お金が貰えたらまた旅行に行ける、旅行は楽しいことがたくさん。そういうことです。これからも頑張ります!よ!

それではまた!!