愛に包まれて 武相荘

こんにちは。れいかです!

皆様いかがお過ごしでしょうか。私は、春休みが想像以上に楽しく、一日が終わる早さに日々驚かされています(笑)
友達と遊んだり、サークルやバイトに行ったり、アクティブに過ごす日も好きですが、予定が何もない一日家でゆっくりする日もとても貴重!
今日は数少ないオフ日です。お家大好き!時間に追われないって素晴らしい!!

さて、今日は、旧白洲邸 武相荘(ぶあいそう)に行った時のことを書きたいと思います!二週間くらい前の話です。
旧白洲邸?クエスチョンマークが浮かんだ人も多いことでしょう。
この家に住んでいたのは白洲次郎と白洲正子。私もこの二人のことを知ったのはつい最近です…。
簡単に紹介すると、白洲次郎は戦後、吉田茂に請われてGHQとの折衝にあたりました。GHQは彼に対して「従順ならざる唯一の日本人」という印象を抱いたとされています。白洲正子は白洲次郎と結婚し、小林秀雄、青山二郎らと親交を結び、文学、骨董に力を入れた人物です。

実はこの旧白洲邸、私の家から車で10分ほどで行けるんです!「せっかくだから行こう!」と家族で足を運びました。
邸宅につく前には門と竹林の小道があって、なんだか旅行気分になりました。
椿や梅の花も綺麗に咲いていました。寒かったですが、今の季節ならではの良さだと思います。
邸宅はミュージアム仕様になっていて、生活感が感じられる空間で展示を楽しむことができました。
書斎、着物、食器。どれを見てもセンスが抜群で、決して派手なわけではないのに目を引くものばかり!
そして家全体の雰囲気と見事に調和していて、見ているだけで心が静まり、穏やかな気持ちになっていきます。
『たしなみについて』『白洲正子のおしゃれ』などの本を読むと白洲正子さんの価値観や美意識が伝わってくるのですが、それがそのまま物にあらわれていると感じました。

旧白洲邸に行く前から、母に話を聞いてこのような旧宅があるというのは知っていたのですが、その時は全く興味がなく……(笑)
去年の十月ぐらいにたまたま寄った無印良品で、白洲正子さんの『たしなみについて』を手に取って読んでみたら面白くて、家に帰ったら同じ本があったので全部読んで、正子さんの考え方や生き方に惹かれました。その時に、この旧白洲邸と白洲正子さんが私の中で繋がったのです。

自分が弱いものである事を痛感しないかぎり、芸術家でも美術家でもありません。
人間の感情、気まぐれな好みとか、たよりない言葉は十人十色であり、その時々変るものであるにかかわらず、
又美しい物は世の中に多いにもかかわらず、美はたった一つしかない、—そういう事を美術は教えます。
たった一つしかないからには、それは物の美しさであるとともに、それをつくった、或いはそれをつくらせた人の美しさでもあります。
結局、真の人間嫌いとは、ですから、ほんとうは誰よりも人間を愛する人の事を言うのです。

『たしなみについて』の中で特に響いた部分を載せてみました。
自分の心に正直に、嘘をつかずに過ごすことを心掛けると、いろいろなことに敏感になっていくような気がします。
それと同時に他者の無意識の言動に気付きやすくなって、嫌な気持ちになることも増えます。
他者を批判せずに赦し、不快に感じてしまう自分の感情もありのままに受け止め、すべてを愛で包み込む。
これがなかなかに難しい……
自分の弱さ。感じずにはいられないです。何をしていても。
以前はそれを必死に隠そうとしていた気がしますが、今では弱さも含めての自分だと感じます。
日々生活していたら、見たくない人間の醜い部分が自然と見えてしまう。私は目を背けずにそれらをただ観察して、意識の光で照らしていきたいです。
正子さんの文章を読むと「厳しい」という印象を持つけれど、傷つくことは決してありません。その理由は、愛から生まれた厳しさだからだと思います。
自分を誤魔化さず真剣に生きてきたことが、言葉の一つ一つから伝わってきます。
何に美しいと感じるのかは人によって違っても、美はたった一つしかない。
この唯一無二の美を、言葉を通してではなく、自分の心で、目に見えない部分でちゃんと感じていたいです。

正子さんは均整の取れた美しさを、自らの行動で示してきた方なんだということを、本やミュージアムでの展示を通して感じました。
その姿は私を勇気づけてくれます。正子さんは私が生まれる二年前に亡くなっていますが、こんなに近くに住んでいたんだと思うと、励まされるような気持ちになります。

私は、美しいきものはほしくはない。顔のきれいな人が羨しいとも思わない。
ただ、人ときものの完全な調和をのぞむのである。

なるほど、一つ一つとってみれば実にいい、手もかかっている、が、全体の
とりあわせが悪ければ、みにくくなることもあり得るのです。

こちらは『白洲正子のおしゃれ―心を磨く88の言葉』から。
主にきものの選び方、着こなしに関連した言葉が多いですが、モノも人も他者であるという点で、あまり区別はないと思います。
調和を重んじた正子さんの信条が強く表れている部分です。

滞在時間は2時間くらいでしたが、ゆったりとした時の流れの中で充実した時間を過ごすことができました。
締めは、白洲次郎が愛した海老カレー!
舌鼓をうちました。

普段なかなか会えない人に会ったり、来月は旅行に行ったり…!
引き続き春休みを満喫したいと思います。
それではまた!

白洲邸次郎カレー