好きな歌が心にあふれて

こんにちは! むーです。

突然ですが、先日見た不思議な夢の話をします。
どんな導入だ、と自分でも思いますが、よろしければお付き合いください……

その夢の中では、思い出の歌がガンガンにかかっていました。
所属する演劇サークルで最後に参加した公演に使われていた曲。劇の内容とリンクした歌詞が印象的でした。1年が経とうとしている今でも、その曲を聴くと途端に当時のえも言われぬ緊張感をみずみずしく思い出せる。そんな曲でしたが、夢の内容は劇にはまったく関係なく。なんなら曲にも関係なかったような気がします。
ただ、思い出の曲に合わせて、アニメーションのような、絵本のような映像が、ミュージックビデオのように流れていくのです。私は、ハイレゾのヘッドフォンでその曲を大音量で聴いているかのような臨場感でその曲を聴きながら、何の映像だったかももうあまり憶えていないその夢に見入っていました。

確かに憶えているのは、その曲が流れていたこと。そして、心がふるえる感覚があったこと。
朝起きたときには、瞳に涙がにじんでいました。

布団から出て、どんどん夢の内容を忘れて行くなかで、ご飯を食べて。私は、自分の脳が、あんなにもクリアに音源を再現できることに驚いていました。
もちろん音の一音一音を完全に憶えていられているわけがありません。それでも、「自分がその曲を聴いている」と思えるほどに、夢の中で再生できるとは。脳は好きな曲を案外しっかり覚えていたようでした。
私にとって、音楽の脳内再生は人生で初めての経験でしたが、みなさんにも同じような経験があるのでしょうか。人間の脳は面白い、と思う次第です。

そしてもう1つ、気がついたことがありました。
ここ何ヶ月か、音楽自体を聴く時間がめっきり減ってきている。せっかくサブスクに入っている音楽アプリも宝の持ち腐れ、というくらい。
その理由は明確で、外出をしなくなったからです。音楽を「ながら」で享受することが習慣づいているために、移動時間という「ながら」に最適な時間が無くなって、音楽アプリを開く回数が減っていたのでした。
音楽を聴きたいな、と思いました。何かをしながらじゃなくて、音楽を聴くための時間をちゃんと設けて。

その日から、ふたたび音楽アプリを開く回数が増えました。
夢の中で聞いたあの曲も聴きました。改めて聴くと、やはり自分が漠然と憶えていたものよりももっと、もっと音の重なりに奥行きがあって、不思議と新鮮な感動を覚えました。

あの夢を自分がどんな心理状態ゆえに見たのかは分かりませんが、自分の記憶の中にある思い出とか、そこから受けた情感とか、そうした自分に取り入れた過去のものから生産されたメロディも素敵だったけれど、その本体――自分がそれらを受け取った原本に帰るのはなおのこと素敵だなと思います。新しい発見があるから、なおのこと。

 

なんともいえず、ふわふわした話になってしまいました。
どう締めたものか…… そう、この曲の曲名は、『深海のリトルクライ』です。とても綺麗な曲なので、よろしければぜひ、まだまだ続くゆるやかな自粛のおともに。
人の数だけ、思い出の曲はあることと思います。皆さんの懐かしい曲のお話も、ぜひお聞きしたいものです。
それでは、今日はこのへんで失礼します! お相手はむーでした。