こんばんは。かつーんです。
昨日と一昨日の2日間は目白祭でしたね。
サークル活動などで参加していた皆様、お疲れ様です。m(__)m
私は両日ともバイトの方で仕事があった為、行けませんでした。
別の大学に通う友達が行くと聞き、久方ぶりに会える機会ということもあって行きたかったのですが、色々とタイミングが悪かったです。
まぁ、そういう時もありますよね。
さて、今回は最近読んだ本について取り上げたいと思います。
先月亡くなった橋本武の著書に『〈銀の匙〉の国語授業』(岩波新書 2012年3月22日)があります。
この本は橋本氏が灘校で行った、中学3年間をかけて『銀の匙』を読み込む「『銀の匙』授業」について書かれています。
「『銀の匙』授業」を始めたきっかけや心掛けだけでなく、授業時に用いたプリント、プリントの作成法などが載っています。
プリントの作成法や授業を行う心掛けなど勉強になる部分が多く、国語科教員(特に私立校)を目指す方に是非ともお勧めしたいです。
私はこの本を読んで、国語の真髄を垣間見たような気がしました。
そう感じた理由の1つに、次の表現を挙げます。
「大事なのは答えではなく過程です。
早急に答えを求めてはいけない、すぐ役に立つものはすぐに役立たなくなります。(本文引用)」
「『銀の匙』授業」は橋本氏が「意識して横道にそれるようにした」と述べているように、一般的な授業と比較すると本当に横道にそれている内容です。
例えば、干支が出てくれば十干十二支を説明して、正午の午がこれに由来するものであると飛び、昔の時間の捉え方にまで広がるといった具合です。
人によっては無駄なことを詰め込んだ授業と捉えるだろうと思います。
しかし、無駄なことと捉えたそれは、本当に無駄なのでしょうか。
受験など知識を問われる場面で、それが必ずしも役立つとは言い切れませんが、考え方や価値観などに彩りを与え得たり、感性を豊かにし得たりするものだと言えると思います。
また、横道にそれた内容の答えに行きつく為に行った方法や心掛けは、他のことに応用することが出来るでしょう。
つまり、無駄と捉えたことが最終的には役立つものになっている、これが国語なのではないかと考えるのです。
何だかくさい内容になりましたが、こうだと決めつけていることや当たり前だと思っていることを改めて見直してみると、思考が一端リセットされて少しだけ視野が広がったような気になります。
一時の錯覚に過ぎないのでしょうが、時には周りの物事を捉え直すことで、油断や慢心に陥りにくくなるのかもしれません。