はじめまして、もこです。
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東風吹かば
東風はいつ吹く。私はいつ東京に行ける?20年も同じ土地に根を下ろしていると、なかなか抜け出せない。根こそぎ引きちぎって、飛んでいけば、新しい土地に根を下ろせるか分からない。戻ってきたとしても、一度地から離れてしまっているから、また根付かせるのはたやすくない。だから覚悟を決めて、根こそぎ引きちぎったのに、飛べなかったもんだから、根は露出したまま。半分田舎で、半分都会。田んぼを見ながら、ジェンダーを習う。
匂ひおこせよ
郵便番号が1から始まる異国から、インクの匂いが届いた。都なんて名乗っている。区とか使っている。県だろ、市だろ、馬鹿にしとんのか。しまいには、03なんて使っている。嫌味ったらしい。でもそんな場所の夜景を、待ち受けにしている。夏には行けるかしら。ネットで友達探しもせず、孤独に課題をこなす。外では緑の波が揺れる。
梅の花
友達ができた。みな素敵な人だ。華の女子大生、本当である。みんな標準語を使っている。ネットの友達みたいだなと思って、あれっと思う。もはやネットの友達である。小学校の頃からネットの人と交流していたら、ついにリア友までも画面の中に入ってしまった。初対面の人とオンラインで会話することに慣れていたからか、友達作りには苦労しなかった。友達、どうやって作ってるのと聞かれ、え、授業で話してそのまま、と答えたら、それはコミュ力が高すぎると言われた。こういうことも、あるのか。
主なしとて
大学生のいない大学って、どうなんだろう。小学校も中学校も高校も対面でやっているのに、大学だけはオンライン。受験でも行ったことがない、本当に一度も足を踏み入れたことのない大学の授業を、ずっと受けている。バイト先でお客さんに大学を聞かれると、大変。東京の大学に進学したけど、今はここで授業を受けている。それだけなんだけど、なかなか通じない。東京に戻れるといいね、とよく言われるが、東京は戻る場所ではない。しかし、お客さんにとって私は東京の女なのだ。大学では、地方の女として扱われるのにね。半分田舎で、半分都会。いや、田舎でもなく、都会でもない。大学は東京やけんさ、友達とか皆カントーに住んどって、勝手に疎外感感じるんよな、と話す。都会からの疎外感?いや違う。地元だったはずの場所からの疎外感だ。
春な忘れそ
一周まわって春から本女、というタグを見つけた。笑ってしまった。確かにそうだ。いろいろあったけど、春を忘れたわけじゃない。また春を楽しんでいい。在学生、と書かれていて、あ、私たちのことか、と思った。大学にいたことはないけど、在学生か。まだまだ新入生の気分だから、少しくらい甘えさせてほしい。新入生は、入学式があるのか。いいなあ。でも、受験改革やらコロナやらで大変だったんだから、ここは、在学生が譲歩すべきか。私たち在学生はみな、新入生が来るのを、楽しみにしている。 春を待っている。
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飛梅は、さみしからずや。主を追って、都を捨てて、一人で飛んで。都の人は、そんな梅を馬鹿にしただろうか、尊敬しただろうか。「や」は疑問ではなく、反語。
私もそろそろ、飛ばなきゃならんようだ。
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今日は朝から卒論発表会に参加しました。